結婚式の話。
高校生の頃から二十歳を過ぎす頃までやっていたバンドがある。最終的な名前は「To Junks」。トゥージャンと呼ばれていたような気がする。
コピーバンドから始まって、オリジナルを作り始めて、僕の青春バンド時代を彩る大切な存在、のような気もする。
大学生の後半頃になると、僕は他のバンドを始めていたし、トゥージャンのメンバーそれぞれも就職活動なりなんなりで忙しくなったため、自然消滅的な形でバンドでの活動はなくなってしまった、ような気がする。
バンドが消えてから数年後の話。
リーダーだったヨッシーが結婚をすることになった。生意気に結婚式を挙げるという。さらに生意気に、結婚式に来いという。そして生意気MAXなのは、結婚式は宇都宮で挙げるという。
さらに、ヨッシーが、二次会でバンドをやりたいと言い出す。何年もギターに触っていなかった癖に、嫁に格好いいところを見せようというみえみえの魂胆だ。
極めつけは、二次会で演奏する曲のリストである。ウルフルズだったり、イエローモンキーだったり、藤井フミヤだったり・・・ねぇ、わけわかんないじゃん。やったことないじゃんか。なんでだよ。
自分たちが長年演奏してきたオリジナルの曲は一曲足りとも入っていない。
なんだこいつは?バカなのか?バカだろ?と、本気×100で思ったね。
元来、他人の曲を覚えるってのな苦手なのである。本気度が足りないせいもあり、全然覚えられないのである。しかも、聞いたことのない知らない歌を四曲も。むりむりむーりーなのである。
そして、結婚式前夜、宇都宮のホテル。二次会のバンド演奏の歌詞も覚えていないってのに、披露宴で弾き語りをするオリジナルソングの歌詞も出来ていないってのに・・・
エムケイは僕らを無理矢理宇都宮の歓楽街へと連れ出すのである。ちなみに、エムケイはバンドのメンバーではない。
そして、エムケイは街中でナンパをし始めるのである。
カラオケいこ!カラオケいこ!えー、いいんじゃん、ちょっとだけさ、いこーよー!と繰り返すエムケイ、元気なのである。
カラオケなんて行ってる暇はないだろ?と思いながら、エムケイを見て笑う僕なのである。早くホテルへ帰って、歌詞の続きを書きたい僕なのである。
カラオケいこ!カラオケいこ!いいじゃん!いいじゃん!えっ?いいの?えっ?うそ?いいの?いくの?おれたちさ、明日結婚式でさ、カラオケとか行ってる暇はないんだよね、ゴメンね。と、エムケイが女の子二人組に謝っている。
エムケイってさ、何がしたいのか、さっぱりわからないんだよ、ほんとに。
かくして、結婚式当日。出来上がったばかりの「Promised Ring」という名曲を披露宴で無事に披露し一安心。次はバンド。
二次会の会場のステージでリハーサル。主役であり言い出しっぺであるヨッシーがまったく練習しておらず、ほとんど弾けないというオチ。全曲歌詞をうろ覚えのオレ以下のヨッシーがいてくれたお陰で、オレのミスなど目立たぬことを確信。
ドタバタバンドらしく本番もドタバタと乗り切り、二次会に参加していた可愛らしいおねーちゃんたちに「かっこよかったですぅ」とハートになった瞳で、見つめられたり見つめられなかったり、宇都宮の夜は過ぎていったのである。
それにしても、なんで練習してこねぇんだよ、ヨッシー!のヨッシーから、最近電話があった。年賀状に、死にそうな目に遭った旨を書いて送ったため、「大丈夫?」といった趣旨のものである。
最近、知らない番号からの着信が数日にわたってたくさん入っていて、怖いなぁ、誰だろう?嫌だなぁ、誰だろ?と思っていたのだけど、その番号の主は、トゥージャンのドラムを叩いていたキョッツであった。
これもまた、年賀状に「三途の川を渡りかけました」といった旨を書いたため「大丈夫?」という趣旨のものだった。
二人とも、十年近く会うことも声を聞くこともなかった友である。
近いうちに嵐山にお見舞いに来てくれるらしい。
楽しみだなぁ。ヨッシー、練習して来ないんだろうなぁ。エムケイも来るかなぁ?無意味なナンパに連れて行かれるから、エムケイには内緒にしておこうかなぁ。
って話。
高校生の頃から二十歳を過ぎす頃までやっていたバンドがある。最終的な名前は「To Junks」。トゥージャンと呼ばれていたような気がする。
コピーバンドから始まって、オリジナルを作り始めて、僕の青春バンド時代を彩る大切な存在、のような気もする。
大学生の後半頃になると、僕は他のバンドを始めていたし、トゥージャンのメンバーそれぞれも就職活動なりなんなりで忙しくなったため、自然消滅的な形でバンドでの活動はなくなってしまった、ような気がする。
バンドが消えてから数年後の話。
リーダーだったヨッシーが結婚をすることになった。生意気に結婚式を挙げるという。さらに生意気に、結婚式に来いという。そして生意気MAXなのは、結婚式は宇都宮で挙げるという。
さらに、ヨッシーが、二次会でバンドをやりたいと言い出す。何年もギターに触っていなかった癖に、嫁に格好いいところを見せようというみえみえの魂胆だ。
極めつけは、二次会で演奏する曲のリストである。ウルフルズだったり、イエローモンキーだったり、藤井フミヤだったり・・・ねぇ、わけわかんないじゃん。やったことないじゃんか。なんでだよ。
自分たちが長年演奏してきたオリジナルの曲は一曲足りとも入っていない。
なんだこいつは?バカなのか?バカだろ?と、本気×100で思ったね。
元来、他人の曲を覚えるってのな苦手なのである。本気度が足りないせいもあり、全然覚えられないのである。しかも、聞いたことのない知らない歌を四曲も。むりむりむーりーなのである。
そして、結婚式前夜、宇都宮のホテル。二次会のバンド演奏の歌詞も覚えていないってのに、披露宴で弾き語りをするオリジナルソングの歌詞も出来ていないってのに・・・
エムケイは僕らを無理矢理宇都宮の歓楽街へと連れ出すのである。ちなみに、エムケイはバンドのメンバーではない。
そして、エムケイは街中でナンパをし始めるのである。
カラオケいこ!カラオケいこ!えー、いいんじゃん、ちょっとだけさ、いこーよー!と繰り返すエムケイ、元気なのである。
カラオケなんて行ってる暇はないだろ?と思いながら、エムケイを見て笑う僕なのである。早くホテルへ帰って、歌詞の続きを書きたい僕なのである。
カラオケいこ!カラオケいこ!いいじゃん!いいじゃん!えっ?いいの?えっ?うそ?いいの?いくの?おれたちさ、明日結婚式でさ、カラオケとか行ってる暇はないんだよね、ゴメンね。と、エムケイが女の子二人組に謝っている。
エムケイってさ、何がしたいのか、さっぱりわからないんだよ、ほんとに。
かくして、結婚式当日。出来上がったばかりの「Promised Ring」という名曲を披露宴で無事に披露し一安心。次はバンド。
二次会の会場のステージでリハーサル。主役であり言い出しっぺであるヨッシーがまったく練習しておらず、ほとんど弾けないというオチ。全曲歌詞をうろ覚えのオレ以下のヨッシーがいてくれたお陰で、オレのミスなど目立たぬことを確信。
ドタバタバンドらしく本番もドタバタと乗り切り、二次会に参加していた可愛らしいおねーちゃんたちに「かっこよかったですぅ」とハートになった瞳で、見つめられたり見つめられなかったり、宇都宮の夜は過ぎていったのである。
それにしても、なんで練習してこねぇんだよ、ヨッシー!のヨッシーから、最近電話があった。年賀状に、死にそうな目に遭った旨を書いて送ったため、「大丈夫?」といった趣旨のものである。
最近、知らない番号からの着信が数日にわたってたくさん入っていて、怖いなぁ、誰だろう?嫌だなぁ、誰だろ?と思っていたのだけど、その番号の主は、トゥージャンのドラムを叩いていたキョッツであった。
これもまた、年賀状に「三途の川を渡りかけました」といった旨を書いたため「大丈夫?」という趣旨のものだった。
二人とも、十年近く会うことも声を聞くこともなかった友である。
近いうちに嵐山にお見舞いに来てくれるらしい。
楽しみだなぁ。ヨッシー、練習して来ないんだろうなぁ。エムケイも来るかなぁ?無意味なナンパに連れて行かれるから、エムケイには内緒にしておこうかなぁ。
って話。