ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

ねぇねぇ、カラオケ行こうよ!いいじゃん、いいじゃん、カラオケ行こうよ!

2015-01-22 17:46:30 | Weblog
結婚式の話。

高校生の頃から二十歳を過ぎす頃までやっていたバンドがある。最終的な名前は「To Junks」。トゥージャンと呼ばれていたような気がする。

コピーバンドから始まって、オリジナルを作り始めて、僕の青春バンド時代を彩る大切な存在、のような気もする。

大学生の後半頃になると、僕は他のバンドを始めていたし、トゥージャンのメンバーそれぞれも就職活動なりなんなりで忙しくなったため、自然消滅的な形でバンドでの活動はなくなってしまった、ような気がする。

バンドが消えてから数年後の話。
リーダーだったヨッシーが結婚をすることになった。生意気に結婚式を挙げるという。さらに生意気に、結婚式に来いという。そして生意気MAXなのは、結婚式は宇都宮で挙げるという。
さらに、ヨッシーが、二次会でバンドをやりたいと言い出す。何年もギターに触っていなかった癖に、嫁に格好いいところを見せようというみえみえの魂胆だ。

極めつけは、二次会で演奏する曲のリストである。ウルフルズだったり、イエローモンキーだったり、藤井フミヤだったり・・・ねぇ、わけわかんないじゃん。やったことないじゃんか。なんでだよ。
自分たちが長年演奏してきたオリジナルの曲は一曲足りとも入っていない。
なんだこいつは?バカなのか?バカだろ?と、本気×100で思ったね。

元来、他人の曲を覚えるってのな苦手なのである。本気度が足りないせいもあり、全然覚えられないのである。しかも、聞いたことのない知らない歌を四曲も。むりむりむーりーなのである。

そして、結婚式前夜、宇都宮のホテル。二次会のバンド演奏の歌詞も覚えていないってのに、披露宴で弾き語りをするオリジナルソングの歌詞も出来ていないってのに・・・
エムケイは僕らを無理矢理宇都宮の歓楽街へと連れ出すのである。ちなみに、エムケイはバンドのメンバーではない。
そして、エムケイは街中でナンパをし始めるのである。
カラオケいこ!カラオケいこ!えー、いいんじゃん、ちょっとだけさ、いこーよー!と繰り返すエムケイ、元気なのである。
カラオケなんて行ってる暇はないだろ?と思いながら、エムケイを見て笑う僕なのである。早くホテルへ帰って、歌詞の続きを書きたい僕なのである。

カラオケいこ!カラオケいこ!いいじゃん!いいじゃん!えっ?いいの?えっ?うそ?いいの?いくの?おれたちさ、明日結婚式でさ、カラオケとか行ってる暇はないんだよね、ゴメンね。と、エムケイが女の子二人組に謝っている。
エムケイってさ、何がしたいのか、さっぱりわからないんだよ、ほんとに。

かくして、結婚式当日。出来上がったばかりの「Promised Ring」という名曲を披露宴で無事に披露し一安心。次はバンド。
二次会の会場のステージでリハーサル。主役であり言い出しっぺであるヨッシーがまったく練習しておらず、ほとんど弾けないというオチ。全曲歌詞をうろ覚えのオレ以下のヨッシーがいてくれたお陰で、オレのミスなど目立たぬことを確信。
ドタバタバンドらしく本番もドタバタと乗り切り、二次会に参加していた可愛らしいおねーちゃんたちに「かっこよかったですぅ」とハートになった瞳で、見つめられたり見つめられなかったり、宇都宮の夜は過ぎていったのである。

それにしても、なんで練習してこねぇんだよ、ヨッシー!のヨッシーから、最近電話があった。年賀状に、死にそうな目に遭った旨を書いて送ったため、「大丈夫?」といった趣旨のものである。

最近、知らない番号からの着信が数日にわたってたくさん入っていて、怖いなぁ、誰だろう?嫌だなぁ、誰だろ?と思っていたのだけど、その番号の主は、トゥージャンのドラムを叩いていたキョッツであった。
これもまた、年賀状に「三途の川を渡りかけました」といった旨を書いたため「大丈夫?」という趣旨のものだった。

二人とも、十年近く会うことも声を聞くこともなかった友である。

近いうちに嵐山にお見舞いに来てくれるらしい。
楽しみだなぁ。ヨッシー、練習して来ないんだろうなぁ。エムケイも来るかなぁ?無意味なナンパに連れて行かれるから、エムケイには内緒にしておこうかなぁ。

って話。

ヨーロッパ珍道中。

2015-01-22 00:44:47 | Weblog


おれさ、もう何十年も前に、リュック一個背負ってヨーロッパへ行ったの。
ヨーロッパってどこやねん?ってね、ヨーロッパったらヨーロッパだよ。13カ国を三ヶ月かけてふらふらーゆらゆらーだらだらーと旅したってわけ。

リュックの中にはTシャツが三枚とパンツが三枚と靴下が三足。寝袋一個。リュックのベルトに上着を一枚巻きつけて。荷物はそれだけ。

何しろ、担ぐ荷物を極力減らしたかった。だって、宿を探すのに何キロも歩くことになるかもしれないから。

すごく悩んだものがある。持って行くか、置いて行くべきか。すごく悩んだものがある。それは・・・爪切り。
散々悩んだ末に、爪切りは日本に置いて行った僕なのである。爪切り一個分の重さも増やしたくなかった当時の僕なのである。

今までの僕の人生で一番後悔していることはと言えば、あの時、爪切りを持って行かなかったことだったりする。
大袈裟だなぁと思うかもしれないが、何十年も前のことを、いまだにブツブツと何度も何度も繰り返しているのだから、相当な後悔であることは間違いないのである。
僕のヨーロッパ三ヶ月間の旅は、爪切りを探す旅だったと言っても過言ではない。

人生で一番大切なのは、爪切りだと思う。だって、爪切りがないと困るもん。

話は変わって。

去年の五月、福島で一週間ほどレコーディングをして、その足で宮城県石巻へ向かった。一年半振りに瓦屋さんの仕事に復帰したのである。
福島宮城の東北ツアーってことでね、お泊まりセットも完全仕様。もちろん、
爪切りも入ってる。

爪切りってさ、優劣に相当な差があるも思うんだね。優劣ってのは、切れるとか切れないとかだね。気持ちいいとか気持ち良くないとかでもあるね。
愛用の爪切りがあってね。もう何十年も使ってるやつ。どこで手に入れたかなんて忘れたけどね。もう、一緒に墓場まで行こうねってくらい愛用しちゃってるやつ。その爪切りは、間違いなく優劣の優なんだね。

東北ツアーを終えて帰ってきて、ちょっとして、爪を切ろうと思ったら・・・え???え!!!え???爪切りが・・・ない。あれ、あれ、あれ、爪切りが・・・無い。
石巻に置いてきたのかもしれない。・・・ちゃんと忘れ物チェックしたのに・・・。

それ以来、石巻へと行く機会もなく、爪切りもなく、でも、爪切りがないと生活が出来ないわけで、仕方がなく、爪切りを探すわけで。
探すといっても、爪切りって、なかなか試し切りなんてさせてもらえない。試し切りが出来ないなんて、それほど怖いこともない。
悩むこと数ヶ月。試し切りが出来ないならレビューだ。口コミだ。と、Amazonのレビューに目を凝らす。
高くてもいい。これぞ!という爪切りが欲しいのだ。

で、買って、失敗した。

それ以来、爪を切るのが憂鬱だ。ヨーロッパでビクトリノクスのナイフに付いているハサミでチョキチョキ切っていた時と同じくらい憂鬱だ。

愛用の爪切りを失ってから、早八ヶ月。

話は変わって。

今日は雪がチラチラしたりして。寒かったなぁ。
朝の8時半過ぎには病院に着いて、9時の診察予約。9時半には診察も終わって、10時には帰ってきて。
寒いなぁ、と上着を着て、庭で薪の整理をしていたんだよ。

薪の整理が大体終わって、部屋へ入って、ポケットの中に入れておいた携帯とかタバコとかライターを出してテーブルに置いて。

ん?

あれ?

ポケットの中のものを全部出したのに、まだなんかある。でも、ポケットの中にはない。なんだこりゃ?
グニグニと触って形を探ってみる。

ん?あれ?これは?これは!これは!!!

爪切りさんじゃないですかぁ!!!
あの、なくしてしまった爪切りさんじゃないですかぁ!!!

上着は、冬の仕事用の防寒ジャケット。リバーシブルになっている。そう、裏側のポケットの中に爪切りさんが隠れていた、というわけ。
探しても探しても見つからないわけだ。

長々となんの話かって?

モノは大事にしましょうね!って話だよ。ははは。
早く爪を切りたいなぁ。パチン、パチンってさ。いい音を鳴らしてさ。早く爪を切りたいなぁ。

2015年、ベストニュースに、決定です。