嵐山駅前にある喫茶店。一般の方々にとっては非常に入り難いと思われる、とこか懐かしい感のある喫茶店。
ここのナポリタンは美味しい。甘くて美味しい。粉チーズをかけすぎると、喫茶店が潰れてしまうかもしれないので、少し遠慮気味にかける。この店に来ると、僕はいつもナポリタンを頼む。
でも、この日の僕は、なんとなくナポリタンな気分ではなかった。ナポリタンの気分ではない時にこの店に来るべきではないような気がする。ナポリタン以外のメニューには魅力を感じない・・・と言ったら言い過ぎなのかもしれないが、困る。とても困る。困った挙句、サンドイッチを注文した。
あんまり美味しいとは思えない普通のサンドイッチを口に放り込みながら、目の前で瓦屋の親方が食べているナポリタンを見ている。うん、やっぱり今日はナポリタンの気分ではない。美味しくないサンドイッチを頬張りながら、僕は確信するのである。
瓦屋の親方は、僕が起きるのを、我が家の庭先で2時間も待っていたという。
目が覚めて、携帯を見ると親方からの着信の履歴があった。折り返し電話をかけてみると、庭先に親方がいた。
食後のコーヒーを飲みながら親方が言う。
「あの件はどうなってる?」
いや、あの件とか知らないし。
「あの件だよ、鉄砲の免許の件」
いや、鉄砲とか撃つ機会ないし、そういうの知らないし。興味ないし。
「テレビでやってたけど、鹿が増えているらしいね、鹿を駆除する人が足りないんだってよ。いやぁ、早く免許を取らないとな」
鹿とか撃たないし。そういうの知らないし。
「で、猟友会の講習会と狩猟資格の試験はいつだって?」
いつだっけ?とか意味分かんないし。おれ、鉄砲の免許とか必要ないから。要らない資格を取るのにお金もかかるし。嫌だし。興味ないし。
仕方なく、僕は猟友会のサイトにアクセスをするのである。
親方の手元にはiPad miniなるものがあるのだが、なぜかそれを使う気はさらさら無いのである。
猟友会のサイト、講習会の日程を見つけた。僕は少しホッとしながら親方に告げる。
「今年度はもうないよ。次の講習会は夏だね」
危なく鉄砲撃ちにされるところだった僕は、今回も一安心。こんな風に先延ばし先延ばしにして、早一年が経とうとしている。
親方が言う。
「そっか・・・夏か。・・・じゃあ、あっちの件はどうなってる?」
あっちの件とか知らないし。
「あっちの件だよ。カキ小屋の件」
カキ小屋とかやらないし、そういうのよくわかんないし。そういうの止めてほしいし。
「ほら、飲食店をやるのに資格みたいのがいるじゃん。食品なんちゃらみたいなやつ。あれは?」
飲食店とかやらないし。必要ないし。勝手に取って勝手にやればいいと思うし。断然巻き込まないで欲しいって感じなわけだし。
残念ながら、食品衛生責任者の講習会は頻繁に開催されているようで、直近だと数日後には開催されるようで、それを逃してもちょこちょこ開催されているみたいで・・・。
僕は親方の軽トラに乗せられて東松山の保健所へと連れて行かれた。
「食品衛生責任者の資格を取りたいんですけど、2名分の申し込み用紙をくださいな」
いや、まぁ、別にお店とかやらないんだけどね。まぁ、いつかやるかもしれないからね。まぁ、いいんだけどさ。
鉄砲撃ちにされるよりは数百倍いいか・・・と、自分に言い聞かせる僕なのである。
ここのナポリタンは美味しい。甘くて美味しい。粉チーズをかけすぎると、喫茶店が潰れてしまうかもしれないので、少し遠慮気味にかける。この店に来ると、僕はいつもナポリタンを頼む。
でも、この日の僕は、なんとなくナポリタンな気分ではなかった。ナポリタンの気分ではない時にこの店に来るべきではないような気がする。ナポリタン以外のメニューには魅力を感じない・・・と言ったら言い過ぎなのかもしれないが、困る。とても困る。困った挙句、サンドイッチを注文した。
あんまり美味しいとは思えない普通のサンドイッチを口に放り込みながら、目の前で瓦屋の親方が食べているナポリタンを見ている。うん、やっぱり今日はナポリタンの気分ではない。美味しくないサンドイッチを頬張りながら、僕は確信するのである。
瓦屋の親方は、僕が起きるのを、我が家の庭先で2時間も待っていたという。
目が覚めて、携帯を見ると親方からの着信の履歴があった。折り返し電話をかけてみると、庭先に親方がいた。
食後のコーヒーを飲みながら親方が言う。
「あの件はどうなってる?」
いや、あの件とか知らないし。
「あの件だよ、鉄砲の免許の件」
いや、鉄砲とか撃つ機会ないし、そういうの知らないし。興味ないし。
「テレビでやってたけど、鹿が増えているらしいね、鹿を駆除する人が足りないんだってよ。いやぁ、早く免許を取らないとな」
鹿とか撃たないし。そういうの知らないし。
「で、猟友会の講習会と狩猟資格の試験はいつだって?」
いつだっけ?とか意味分かんないし。おれ、鉄砲の免許とか必要ないから。要らない資格を取るのにお金もかかるし。嫌だし。興味ないし。
仕方なく、僕は猟友会のサイトにアクセスをするのである。
親方の手元にはiPad miniなるものがあるのだが、なぜかそれを使う気はさらさら無いのである。
猟友会のサイト、講習会の日程を見つけた。僕は少しホッとしながら親方に告げる。
「今年度はもうないよ。次の講習会は夏だね」
危なく鉄砲撃ちにされるところだった僕は、今回も一安心。こんな風に先延ばし先延ばしにして、早一年が経とうとしている。
親方が言う。
「そっか・・・夏か。・・・じゃあ、あっちの件はどうなってる?」
あっちの件とか知らないし。
「あっちの件だよ。カキ小屋の件」
カキ小屋とかやらないし、そういうのよくわかんないし。そういうの止めてほしいし。
「ほら、飲食店をやるのに資格みたいのがいるじゃん。食品なんちゃらみたいなやつ。あれは?」
飲食店とかやらないし。必要ないし。勝手に取って勝手にやればいいと思うし。断然巻き込まないで欲しいって感じなわけだし。
残念ながら、食品衛生責任者の講習会は頻繁に開催されているようで、直近だと数日後には開催されるようで、それを逃してもちょこちょこ開催されているみたいで・・・。
僕は親方の軽トラに乗せられて東松山の保健所へと連れて行かれた。
「食品衛生責任者の資格を取りたいんですけど、2名分の申し込み用紙をくださいな」
いや、まぁ、別にお店とかやらないんだけどね。まぁ、いつかやるかもしれないからね。まぁ、いいんだけどさ。
鉄砲撃ちにされるよりは数百倍いいか・・・と、自分に言い聞かせる僕なのである。