ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

僕の相棒。

2016-10-03 18:59:11 | Weblog


久しぶりの我が家は、我が家の庭は、草だらけ。

ははは。

今、無事に到着です。
遠いなぁ、大洗。
たった140キロなのに4時間半。
これが関東の道なのですね。

それほどの雨にも降られず、幸運な旅人です。
とにかく、三年振りの旅人は、幸運だらけの旅人でした。

シャドウちゃん、僕を連れて行ってくれてありがとう。
僕を連れて帰ってきてくれてありがとう。
よく頑張りました。

明日、ピカピカに、磨いてあげるからね。

古河。

2016-10-03 16:53:20 | Weblog


セイコーマートがないので、セブンで買ったコーヒーを飲んでます。

大洗港から、用意!ドン!でスタートして2時間です。休憩です。

渋滞の時間です。車が多い。嫌だなぁ。
どのくらい多いかというと、北見くらい多い。ここは茨城だから。

これから、しっしーの嫁、やよいの故郷、埼玉の地の果てと呼ばれる栗橋に突入です。嫌だなぁ、栗橋。何が嫌ってこともないんだけどね。ははは。怒るなよ、やよい。

雨はそれほど降ってない。
あと2時間。無事に。無事に。
それだけを願って。

あっ、ピーナツチョコ買おうっと。

30年前のおじさま。

2016-10-03 12:44:24 | Weblog


キノコのおじさまと僕と、愛知から来た家族四人と。
小さな高野民芸店は賑やかである。

そこに、また一人お客さんがやって来た。

こんなことがあるのだろうか?

何度も失礼ながら、「このお店にお客は来るのだろうか?・・・来ないだろうな」と、思っていたからである。ごめんなさい、おじさま。

でも、おじさまも言っていた。

「こんなこと、珍しいよ」

そのお客さん。おばさまである。

聞くと、30年ほど前に出版されたアイヌ関連の雑誌を愛読している。愛読しているというか、図書館で借りて愛読している。というか、愛読し過ぎている。
というのは、図書館の貸し出し期間は2週間。2週間経ったら返さなければならない。返す。またすぐに借りる。返す。またすぐに借りる。

よくわからないのだけど、今も、その本を持っている。図書館から借りているその本を持っている。見せてくれた。

その本と同じ本を、高野のおじさまも持っている。

なぜか?

高野のおじさまが載っているのである。30年ほど前の。29年前って言ってたかな?
高野のおじさまが二風谷に来て、12〜3年の頃だと言っていた。

つまり、おばさまは、高野のおじさまの大ファンなのである。憧れの人なのである。

おばさまは、高野さんの顔を見て歓喜した。

僕は事情を聞いて首を傾げた。
おばさまが知っているのは、あくまでも30年前の高野さんの顔である。溌剌とした30代の高野さんの顔である。今の高野さんは、溌剌とはしているけれど、おじさまである。わかんのか?

「わかるわよ!」「ずっと写真を見てきたんだもの」

そして、高野さんの若かりし頃の写真を見せてくれた。

「わかんないでしょ?」と僕が言う。

「わかるわよ!面影があるじゃない!」

「面影・・・あります?」

「あるでしょ!こらっ!

高野のおじさまは、ニコニコと笑いながら、そんなやり取りを眺めている。

そして、おばさまに言う。

「マツタケ、食べて行きなさい」

おばさまは、とんでもございません、そんな高価なものを頂くわけにはいきません、と首を横に振る。

僕は、マツタケをピーっと縦に裂いて、口にパクッと入れて、モグモグしながらおばさまに言う。

「食べて行きなよ。美味しいよ。マツタケ」

するとおばさまは言う。

「あなたは、どうしてそんな風に、オヤツみたいにマツタケをモグモグ食べてるのよ?おかしくない?マツタケってそういうものじゃないでしょ?」

僕はモグモグしながら言う。

「だって、マツタケなんて、ここでしか食べられないんだもん。ほら、食べなよ、これ」


面白いおばさまだった。賑やかなおばさまだった。
数十年の憧れの人に会って、慌ただしく帰って行った。

いやしかし、高野のおじさまの人生の一端である。
様々な人に影響を与える人生の一端である。

高野民芸店。
そこはおもちゃ箱のような、素敵なお店。
何も売っていないように見えて、凄いものがたくさん飛び出てくる。

そこらにある、お土産用の民芸屋とは違うよ。

飛び出てくるのは、どれもホンモノばかり。工芸品もお話も。

僕は楽しくて仕方がない。

マツタケとキビご飯のオニギリをモグモグしながら、僕は楽しくて仕方がない。


高野のおじさま。ご馳走さまでした。
いつも楽しい時間をありがとうございます。
夢の館へ寄ることがあったら、お父さんとお母さんによろしく伝えてください。「ハガキに詩を書くバイクのおにーちゃん」で伝わると思います。

僕の大好きな人と、僕の大好きな人が、会う。
そんなこと、想像するだけで、たまりませんわぁ。


グッドモーニング旅人は宮城沖。

2016-10-03 10:09:22 | Weblog


旅ボケである。
グッドモーニングの写真を撮ったのに、グッドモーニングの記事を書くのを忘れていた。忘れていることに今気づいた。

旅ボケである。
遅くに寝ても7時前に目が覚める。テントの中じゃないのに、7時前に目が覚める。

旅ボケじゃなくて、ただのボケナスかもしれない。

旅ボケナスである。旅ナスではない。決して。

笑っているそこの君、笑っている場合ではない。

いや、笑っていてもいい。笑顔は大事だ。

グッドモーニング旅人さんは宮城沖。

朝からポテトチップとコーラを飲んだら気持ちが悪い。

ははは。だからなんだ?

暇なんだよ。僕は。


本物のおじさま。

2016-10-03 09:35:48 | Weblog


キノコのおじさまは、採ってきたばかりのマツタケを焼き続ける。焼き続けている。

次々と出されるマツタケに、お客さんも驚く。

「いえ、もうじゅうぶん頂きました」と恐縮している。

その頃には、僕もお客さんと仲良しになっている。

キノコのおじさまがいきなり言う。

「この人はミュージシャンでね、シングって言うんだよ」

僕はマツタケをパクパクと食べながら、驚いて笑う。

「何をいきなり言い出すんですか?」

おじさまは言う。

「宣伝しとかないと」

おじさまは面白い。

北海道の平取町の二風谷のアイヌの伝統工芸の民芸店を訪れたお客さんに「僕はミュージシャンでしんぐくんと言います」とは、なかなか言い出せない。

笑ったり、話したり、見たり、触ったり、着たり、持ったり、掛けたり、弾いたり、みんなで楽しい時間である。

実は、このお客さん。二風谷のアイヌの民族博物館で高野さんの作品を見て、その作者が民芸店を営んでいると聞いて、ピンポイントで高野民芸店を訪れたという。

愛知から、一泊二日の飛行機アンドレンタカーの旅である。今日着いて、明日帰るのである。

いや、いいんだよ。別に。ほんとに。すごく忙しい旅だよね。それもいいんだよ。ほんとに。そういうのありでしょ。

違うの。違うの。僕が聞きたいのはさ、そうじゃなくて・・・。一泊二日の旅で千歳空港に着いて、レンタカーを借りて。旦那さんと奥さんと小学生の子供二人と、北海道の楽しい思い出を。

で、なんで二風谷へ?

すごくない?

正味二日の半分を二風谷で過ごす?

僕は、二風谷が大好きで、必ず二風谷へ来る。
でも、きっとそれは珍しいことで。
旅人から二風谷の話を聞くことは、滅多にない。
旅人に二風谷を勧めても、行ったという話は滅多に聞かない。

僕は、この家族を素敵だなぁ、と思った。

しっかりとした価値観を持って生きているんだなぁ、と思った。

みんなが行く所。普通は行く所。みんながいいという所。みんなにいいと言われる所。一般。

自分が興味を持つ所。
自分が行きたい場所。

この家族は、二日間をちゃんと旅する旅人なんだ。

二風谷のおじさまは、男の子にアイヌのナイフや剣を持たせる。おもちゃではない。本物だ。
男の子が剣をかざす。男の子の瞳がキラリと光る。
二風谷のおじさまは、女の子には着物を着せてあげる。アイヌ文様の入った木綿の着物。おじさまの娘さんが、お祭りの時に着ていたもの。
おじさまが紐をキュッと結んであげると、女の子の顔から微笑みが零れる。

素晴らしきことは、ここには「本物」しかないということ。本物だけがあるということ。

本物に触れられる素晴らしさが、ここにはある。

僕は、そういう光景を目にしながら、高野のおじさまに出会えたことの「幸運」を、深く深く感じるのである。

キノコのおじさま。

2016-10-03 08:35:34 | Weblog


二風谷にたどり着いたのは午後3時頃。

キノコのおじさまが「おぉ、来たかぁ!」と迎えてくれる。

再びの「高野民芸店」である。

キノコのおじさまは、さっきまで山へ行っていた。山でキノコを採っていたのである。つまり、採れたてキノコなのである。

「今焼いてるからなぁ」と、おじさまは言う。

焼いているのはキノコである。キノコに違いない。焼きキノコである。丸ごと焼きキノコで間違いない。ファイナルアンサー。スーパーひとし君も出しちゃいます。

おじさまと四方山話をしていると。

お店の前に車が停まり、家族連れのお客さんが入ってきた。

高野民芸店は、れっきとしたお店なんですよ。アイヌの伝統工芸を扱う民芸店なんです。
あのぉ、まぁ、こういっちゃなんですが、僕は驚いてしまいました。おじさまには大変失礼なんですけどね、僕は驚いてしまいました。

「えっ?お客?」

えっ?お客さん来るの?しかも一見さん?
一見さん、入れるの?このお店に?とね。

だって、商売っ気がないんだもの。

初めて来た6年前には、もっと作品が並んでいたような気がするが、物産展やら工芸展やら個展やらのために、おじさまの作品たちは内地へ行っている。つまり、お店の中、パッと見、作品が無い。

そこへ、お客さんである。

あのぉ、えっとぉ、お店、間違えちゃったのかな。と、心配になる。

二風谷のキノコのおじさまは、いつもやわらか〜い微笑みを蓄えている。

「どこから来たの?愛知?」

「ほーら、ちょうどマツタケが焼けたよ。食べて行きなさい」

お客さんはびっくり仰天である。
店に入るなり、いきなり、焼きマツタケの登場である。

遠慮するお客さんに、おじさまは言う。

「これはね、自然から頂いたものだからね、みんなに分けてあげるのが当然のことなんだよ」

「ほら、さっきまで山へ行っててね、こーんなにたくさん採ってきたんだよ」

お客さんは、恐る恐るマツタケに手を伸ばす。

マツタケってさ、そういう存在だよね。丸ごとのマツタケなんて、恐る恐る手を伸ばすに相応しい代物だよ。普通はね。