ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

さよなら、はちみつカフェ。11

2019-05-29 18:35:11 | Weblog


さてさて、ハチがいなくなってしまった我が家。僕が何をしていたかというと、ハチの巣箱作りである。
トントンカンカン、トントンカンカン、木を切ったりして箱を作っているのである。トントンカンカンと書いているが、カナヅチと釘は使っていないので、トンカンという音はしない。インパクトドライバーを使っているので、本当はウィーンウィーンなのである。でも、なんとなく、トンカンと言った方が感じが出たりするような気がしたりして、トントンカンカンと書いている。
何のためにトントンカンカン?

ハチを待つために。

ハチを待つために。と言っても、我が家にいたハチを待つわけではない。我が家のハチは、アカリンダニにやられて全滅、つまり死亡してしまったわけだから、待てども暮らせど戻っては来ない。

新しいハチの群れを待つのである。

ハチの巣箱を作って、ハチが来そうな場所に設置する。この箱を待ち箱と呼ぶ。

そう、待ち箱を作っているのである。待ち箱は多い方がいい。だから、たくさん作っているのである。

たくさん作るのはいいが、設置する場所がたくさんあるわけではない。だがしかし、なんとしても、ハチさんを捕まえなければならない。

ニホンミツバチは冬を越して春になると分蜂する。分蜂というのは、新しい女王が生まれると、古い女王が群れの半分を連れて古い巣を出るというもの。古い巣を出た群れは、新しい巣を見つけて住まなければならない。その新しい巣を作って、不動産屋よろしく、「ここにいい物件がありますぜ!」と誘い込む算段なのである。

しかし、これがなかなか難しいようで。宝くじに当たるような確率のようで・・・ははは。
だがしかし、やらないよりはいい、というより、やらねばならない。可能性が限りなく低くても、やらねばならないのである。

普通は、誘引剤というものを使う。ニホンミツバチはキンリョウヘンという蘭の一種の花の匂いを好む。キンリョウヘンを待ち箱に仕掛けると、捕獲率が飛躍的に上がる。だがしかし、僕には、そんなものはない。高価なのである。とても高価なのである。そして、花を咲かすのが難しい。さらに言うと、蜂の分蜂の時期に合わせて咲かせるのは至難の技らしい。高価なのに・・・である。

だから、僕は、前のミツバチちゃんたちが遺してくれた巣から作った蜜蝋、それだけが頼りなのである。蜜蝋をバーナーで溶かして、待ち箱の壁や天井に塗り付けるのである。蜜蝋を塗ると、ほんの少しだけ捕獲率が上がる。ないよりは上がる。ははは。

そして、待つ。ひたすら待つ。待つといっても、まぁ、ただ放っておくといった方が正しいのだがね。

待ち箱、5セット作った。

扉には、ライオンとハチミツの刻印。すごく可愛いと想う。

僕は想うのである。不動産屋よろしく想うのである。
「どうですか?いい物件、ありますよ」

さよなら、はちみつカフェ。10

2019-05-29 18:10:37 | Weblog


たとえば・・・
朝から畑へ出たとして、なぜ畑へ出るかというと、今の時期はとても大切な時期で、今を逃すと夏に何も採れなくなるという危険をはらんでいるので出るしかないという・・・。朝から暗くなるまで畑にいたとして、炎天下で動き回っていたとして、日々10時間くらいね。
暗くなって帰ってきて、たとえば、10キロから15キロ、ルーティンのウォーキングをしたりして、そこそこ疲れたりなんだりして。シャワーを浴びて、ご飯を食べたりして。もう結構夜が深かったりして。
それから「よし!いくぞ!」と気合いを入れて、ギターを持って車のエンジンをかけたりして、誰も来ない高速道路の側道で唄を歌ったりして、なぜ歌うのかというと、ライブがもう数日後だったりするからね。
「ちょっと休憩」とか思って、「ブログを書くか」とか思ったりして、アイフォーンを取り出して、ブログのページを出して、「何を書くっかなぁ」と思っているいるうちに、知らないうちに、目が閉じてしまっていたりして・・・気がつくと、明るくなっていたりして・・・。

そんなことを繰り返していたりして・・・ブログの更新が滞るのは、そんなわけであったりして・・・。

こんなことじゃ、「さよなら、はちみつカフェ」のくだりさえ終わらせられないじゃーん!と、不安を感じていたりして・・・。

そんなわけで、昨日から、畑はお休みにして、ギターを弾いています。新曲を作ったりしています。ははは。畑なんて行くか!の精神で頑張っています。どうぞよろしく。ほんとに。ほんとに。

では、はちみつカフェの10ね。

キムキムにーやんに言われた通り、僕は採蜜にとりかかった。蜂のいなくなった蜂箱を解体。蜂が作った、はちみつがたくさん詰まった巣を解体。

トローリと流れ落ちるハチミツを時折舐めながら、「ハチさん、いなくなっちゃったなぁ」とつぶやく。
時折、ハチミツと一緒に口に入る蜜蝋やらゴミやらを「ぺッ」と吐き出しながら、「ハチさん、いなくなっちゃったなぁ」とつぶやく。

採蜜を終わらせて、つまり、ハチミツが詰まった巣房の塊を、バケツに載せて、あとは自然に落ちるのを待つという形まで持っていき、巣を取ったあとの巣箱をナイフで掃除をしたりしながら、「ハチさん、いなくなっちゃったなぁ」とつぶやく。

最終的に、1.8キロの完熟ハチミツが採れた。よくわかんないけれど、上出来なんだと思う。
小さなスプーンで、ハチミツを直接口に入れる。濃厚な味がする。冬を越えたハチミツ。一日、ひとスプーンのハチミツを舐める。ハチミツは健康にいい。ハチミツを舐めながら、もちろんつぶやく。「ハチさん、いなくなっちゃったなぁ」。

はちみつカフェ、終了のお知らせである。
まだ始めてないのに、終わりなのである。だって、ハチがいなくなっちゃったから。

さよなら、ハチさん。

物事には、始まりがあって終わりがある。それは摂理。避けようがない摂理。

毎日のように眺めていた蜂箱が、我が家の庭から消えてしまった。

もう、ハチはいないのである。

看板を、外さなければいけないのである。
とても、悲しいのである。ほんとに。ほんとにね。

ペロペロとハチミツを舐めながら、とても悲しい僕なのである。