瓦屋の親方が我が家に来て、ちょっと話した。
最近、なんでもメルカリで買えるという話。送料出品者持ちだったりして頼みやすい。送料の分は値段に乗っけてあるのだとしてもヤフオクよりは全然買いやすい。とか。
京都の個人農家からお米を買ったという話をした。
なんか、おじーちゃんが孫に食べさせるために大事に育てたお米ですって書いてあった。つまり無農薬で育てたということだ。
無農薬のお米を買った訳を話した。ネオニコチノイドの話もした。ハチの神経がやららて帰巣本能がなくなる話もした。もちろん「らしいよ」とか、「そういう説もある」とかいう言葉を織り混ぜながら。
親方の嫁さんの実家は田んぼをやっていて、毎年お米が穫れる。僕は時々そのお米のおこぼれを頂戴したりしている。
ここ何年かは、親方が本格的に米作りに関わっている。
その後、何日かして、稲刈りを終えた親方がやって来た。獲れたばかりの新米を届けてくれた。
30キロの新米が入った袋を40袋ほど運ばなければならないというので、お米のお礼に手伝うことにした。
30キロの米袋を担いで、トラックから蔵へと運び込む。30往復。死ぬかと思った。
そんなことをしながら話した話。
親方は今年は新米を貰わないと言う。なんで?と聞くと、古米を食べると言う。なんで?と聞くと、去年は除草剤を二回撒いたけど、一昨年は除草剤を一回しか撒いてないそうだ。
ネオニコチノイドの話を聞いて、息子と一緒に色々と調べたらしい。
「こっわー!」となったらしい。
俺には新米くれたじゃん!と思ったけど、それはまぁいい。
「知る」というのは生きづらくなるということなのかもしれない。でも、「知らない」ということは・・・。
話は変わって。
今年はウンカの被害が甚大だそうだ。稲につく害虫、ウンカ。米農家が軒並み被害を受けているという話がTwitterで回ってきた。
ウンカの被害というのは、江戸時代あたりから農家にとっての悩みの種らしい。
最近では、農薬への耐性を持ったハイブリッドウンカなるものが出現して、農薬を撒いてもウンカの被害が出るそうだ。
Twitterへの投稿へのリプライを読んでいた。そこに書いてあったのは・・・
「農家が食べていくには農薬は必要」
「国が決めた安全基準を守っているのだから安全」
「無農薬なんていうのは幻想」
「美味しんぼの読みすぎ」
へぇ・・・と僕は思うのである。
世の中、こういう人たちが多勢なのである。
でも、僕は思うのである。ほんとにそうか?とね。
農家が食べていくには農薬が必要なのか?本当か?その農薬が発癌性やらなんやらで他の国では使用禁止になっているとしてもか?自分が食っていくためなら、食わされるやつがどうなってもいいのか?
国の安全基準は安全なのか?本当か?他の国の何百倍も緩い基準の理由はなんなんだ?それは国民の健康のためなのか?それとも誰かの利益のためなのか?
無農薬は幻想なのか?・・・それは僕にはまだわからない。
美味しんぼの読みすぎなのか?実は、僕は「美味しんぼ」を読んで育った。
話は戻って。
瓦屋の親方が言う。
「来年は無農薬と有機肥料で米を育てようと思うんだけど、しんぐさん手伝ってくれるよね?」
・・・嫌とは言えない。
絶対に言えない。
「おぉ!やろう!なんでもやろう!やってみよう!」
無農薬は幻想なのか?
それは、僕はまだ・・・知らない。