「また生歌を聴かせてください」というコメントがついた。
みーんな、どうしているだろうか?
元気にしているだろうか?
路上で出会った高校生の女の子が、今日の誕生日で30歳になったそうだ。おめでとう。
時は流れているな。僕が想うよりも、ずっと確かに。
瓦屋の親方が、どこかから綺麗なアコースティックギターを拾ってきた。
「ヤマハのギター、いる?」と聞かれて、「ヤマハのギター、いらない」と答えたのだけれど、家に帰ると、ヤマハのギターがハンモックに揺られていた。
YAMAHA FG151B。
ポロンと鳴らしてみると・・・あれ?悪くない。
型番で調べてみると、「値段にしてはいい」とかある。ポロリンと鳴らしてみる。うん、まぁ、悪くない。
1970年代後期から80年代の製造。らしい。1980年だとしても、随分と古い。38年モノ。
きっと、この世に生まれでこのかたほとんど弾かれていない。ボディは綺麗だ。弦は、指が汚れるほどに錆びている。
ふーん。と僕はつぶやく。ふーん。
どうすっかな、このギター。
聴いてみたいなぁ・・・このギターの音。
ネックが反っている。順反り。
弦を緩めて、ヘッドに付いているネジを外す。現れたネックのアジャスターロッドにマイナスドライバーを突っ込んで時計回りにグリっと回す。あんまり回すと壊れそうなので、適度に。だいたいな感じに。
さて、弦を張り替えるのか・・・。えーー、どうすっかなぁ。新しい弦、もったいない。どうすんだ?新しい弦、張るのか?
でも、聴いてみたい、このギターの音。
古い弦をパラパラと全部外して、ボディを拭き拭き。
えーい、ままよ!とエリクサーの弦の箱を開ける。エリクサーを張るの?これに?エリクサー・・・高級弦。仕方がない。今はこれしか持ってない。
でも、聴いてみたいじゃないか。このギターの音を。最良の状態で。
慣れた手つきで弦を替え、ポーンポーンとチューニング。
さて・・・指でシャラリーン。
おっ、鳴るじゃん。さすがヤマハ。
ポンピンパンピン・・・アルペジオ。
おっ、意外と響くじゃん。
ピックピック。ピックで弾かなきゃ。
ピックピック。あったあった。
ジャイーン!ジャイーン!
おっ、・・・えっ、・・・うーん・・・。まぁね。そんなに鳴るはずもないか。
まぁね、比べてるのはギブソンのサザンジャンボのイメージ。そりゃかわいそうってものじゃないか。
小さくまとまった、良い音がします。バランスがとてもいい。
さて、オークションに出すかな?と、そんな考えが脳裏をよぎったが・・・
落札金額よりもエリクサーの弦代の方が高くつきそうだからね、やめておく。