トトが作った24時間循環風呂というのがある。今は24時間ではないらしい。
木酢液が入れてあり、香りが素晴らしい。すごく温まる。というか、汗が出る。
お風呂あがりに、カカがコーヒー牛乳を出してくれた。美味しい。コーヒー牛乳美味しい。
大きな薪ストーブの前で、カカと、トトとの思い出を、目一杯話した。
僕が雪月花廊に来た翌年に、トトは倒れてしまったという。長い入院の後、トトは新しい記憶を作ることができなくなってしまった。
トトはトトのままだったのだけれど、トトは新しいトトになることはなく、ずっも昔のトトだった。
それでもトトは薪ストーブの前の揺り椅子に座って、煙草を吸いながら穏やかな存在感を放っていたらしいのだが、再び倒れ寝たきりになって帰って来たという。
医者に「車椅子も無理」と言われたトトだったが、雪月花廊へと帰ってきて、リハビリを行うと、車椅子に座れるようになり、窓際の薪ストーブの前に座って過ごしていたという。
そして、最期は、雪月花廊で。
カカが色々なことを話してくれた。
トトのすごかったところ。
トトの凄さは今もずっと続いているということ。
トトがずっと、この部屋にいるということ。
6年前に来た時、カカの存在は、柔らかくて優しくて穏やかで・・・。トトの後ろにちょこんとついて。
グッドイブニング喜茂別。お風呂。そしてコーヒー牛乳。
母は強しではない。・・・カカは強し。
久しぶりにカカを一目見て思った。
「この人、強くなってるじゃん」
カカは強し。素敵です。