もう九月。暑く寝苦しかった夜も、半袖だと寒いくらいになり・・・肌で感じる秋の気配。秋と言えば・・・何だ?秋と言えば・・・芸術だ、読書だ、ファッションだ、食欲だ、スポーツだ。いや、どうかな?そうかな?秋と言えば・・・鮭だろ?秋と言えば・・・サケじゃないか。そうだろ?
そんなわけで、秋だから、鮭の話。
去年の北海道。秋。鮭の話。
コーカタにーさんとコデラーと僕の三人は知床半島羅臼で催される漁火祭りに向かっていた。小雨が降る中、祭り会場の市場に到着したのは、午前8時半。このお祭りの目玉は無料で配られるイクラ丼。僕らの目当てももちろんイクラ丼。杯数限定のため、朝から配られる整理券をもらうために並ばなければならない。カッパを来て会場へ急ぐ。
人だかりが出来ている場所がある。聞くと、イクラ丼配布の前に、鮭のつかみ取り大会があるらしい。とりあえず三人で並ぶ。子供15人、女性15人、男性15人が鮭のつかみ取りに参加出来る。抽選開始までに並んだ人数は、約150人。競争率は三倍。三人に一人。僕ら三人のうち一人が当る計算だ。
特設の巨大桶の中を大量のビッグ鮭が泳ぎ回っている。子供達は水着を着て準備万端。気温は15度、生憎の雨の朝。・・・さ、さ、寒い。
僕は想う。行列に並びながら僕は想う。・・・当たりませんように。僕以外の二人に当たりますように。だって、こんな寒空の下で裾をまくって冷水に浸かって鮭を追い回したら、風邪を引いてしまうだろ。
抽選が始まる。子供の抽選が終わり、女性の抽選が終わり、いよいよ男性の抽選開始。少しずつ列は進んでいく。僕は願いながら前へ進む。ドキドキ。自分には当らずに、鮭が食べられますように。。。
コーカタにーさん・・・当たり!ここで超ガッツポーズ。コデラーとハイタッチ。心の底からガッツポーズ。鮭、ゲットン。コデラー、外れ。ドキドキ。ドキドキ。オレ・・・外れ!!!見られないように小さくガッツポーズ。当選者ゾーンに連れて行かれたコーカタにーさんに、満面の笑みで手を振る。「頑張って、大きな鮭を穫って来てね。応援してます」。
鮭を素手で捕まえるって、相当難しい。相手はぬるぬるの魚だ。そして鮭はでかい。そして鮭は暴れる。子供15人による鮭のつかみ取り開始。鮭は暴れるし、子供は転ぶし、ずぶ濡れだし、もうほとんど寒中水泳大会の様相。そして鮭はなかなか捕まらず、ほとんどの子供達が泣き出す始末。あぁぁ、当らなくて良かったと、心から想うのである。
女性のつかみ取りも終わり、いよいよ我が兄貴、コーカタにーさんの出番。もうあれですよ。人ごみをかき分けて、最前列で応援ですよ。カッパの裾を膝までめくっても水に浸かってるにーさんを呼んで作戦会議ですよ。「大きいのを狙ってください。今晩のおかずはちゃんちゃん焼きですから」。
いよいよ開始。大の男が15人、小さなプールの中で鮭を追い回します。あちらこちらで鮭ゲットの雄叫び。間もなくして、にーさんが鮭をがっちりゲット。鮭を抱えてこちらを振り返ります。僕はコデラーと顔を見合わせて「あれ、小さいよね?」。にーさんに向かって首を振ります。リリース指令です。「もっと大きいやつ、お願いします!」。
結局、最後の最後まで粘って、ずぶ濡れになって大きな鮭をゲットしてくれました。にーさんに労いの言葉をかけて、鮭を抱えて写真大会。いやぁ、朝から興奮しまった。イクラ丼を食べに来て、鮭のつかみ取りで盛り上がる。これぞ旅の醍醐味なのである。
(続く)
そんなわけで、秋だから、鮭の話。
去年の北海道。秋。鮭の話。
コーカタにーさんとコデラーと僕の三人は知床半島羅臼で催される漁火祭りに向かっていた。小雨が降る中、祭り会場の市場に到着したのは、午前8時半。このお祭りの目玉は無料で配られるイクラ丼。僕らの目当てももちろんイクラ丼。杯数限定のため、朝から配られる整理券をもらうために並ばなければならない。カッパを来て会場へ急ぐ。
人だかりが出来ている場所がある。聞くと、イクラ丼配布の前に、鮭のつかみ取り大会があるらしい。とりあえず三人で並ぶ。子供15人、女性15人、男性15人が鮭のつかみ取りに参加出来る。抽選開始までに並んだ人数は、約150人。競争率は三倍。三人に一人。僕ら三人のうち一人が当る計算だ。
特設の巨大桶の中を大量のビッグ鮭が泳ぎ回っている。子供達は水着を着て準備万端。気温は15度、生憎の雨の朝。・・・さ、さ、寒い。
僕は想う。行列に並びながら僕は想う。・・・当たりませんように。僕以外の二人に当たりますように。だって、こんな寒空の下で裾をまくって冷水に浸かって鮭を追い回したら、風邪を引いてしまうだろ。
抽選が始まる。子供の抽選が終わり、女性の抽選が終わり、いよいよ男性の抽選開始。少しずつ列は進んでいく。僕は願いながら前へ進む。ドキドキ。自分には当らずに、鮭が食べられますように。。。
コーカタにーさん・・・当たり!ここで超ガッツポーズ。コデラーとハイタッチ。心の底からガッツポーズ。鮭、ゲットン。コデラー、外れ。ドキドキ。ドキドキ。オレ・・・外れ!!!見られないように小さくガッツポーズ。当選者ゾーンに連れて行かれたコーカタにーさんに、満面の笑みで手を振る。「頑張って、大きな鮭を穫って来てね。応援してます」。
鮭を素手で捕まえるって、相当難しい。相手はぬるぬるの魚だ。そして鮭はでかい。そして鮭は暴れる。子供15人による鮭のつかみ取り開始。鮭は暴れるし、子供は転ぶし、ずぶ濡れだし、もうほとんど寒中水泳大会の様相。そして鮭はなかなか捕まらず、ほとんどの子供達が泣き出す始末。あぁぁ、当らなくて良かったと、心から想うのである。
女性のつかみ取りも終わり、いよいよ我が兄貴、コーカタにーさんの出番。もうあれですよ。人ごみをかき分けて、最前列で応援ですよ。カッパの裾を膝までめくっても水に浸かってるにーさんを呼んで作戦会議ですよ。「大きいのを狙ってください。今晩のおかずはちゃんちゃん焼きですから」。
いよいよ開始。大の男が15人、小さなプールの中で鮭を追い回します。あちらこちらで鮭ゲットの雄叫び。間もなくして、にーさんが鮭をがっちりゲット。鮭を抱えてこちらを振り返ります。僕はコデラーと顔を見合わせて「あれ、小さいよね?」。にーさんに向かって首を振ります。リリース指令です。「もっと大きいやつ、お願いします!」。
結局、最後の最後まで粘って、ずぶ濡れになって大きな鮭をゲットしてくれました。にーさんに労いの言葉をかけて、鮭を抱えて写真大会。いやぁ、朝から興奮しまった。イクラ丼を食べに来て、鮭のつかみ取りで盛り上がる。これぞ旅の醍醐味なのである。
(続く)