「頼もう!頼もう!」
と、掘っ建て小屋の扉の前で僕は叫ぶのである。
しばし待つと、掘っ建て小屋の中から白髪の老人が出てくる。そして言う。
「入り口はこっちじゃない。向こうだ」
えっ?そうなの?
「頼もう!頼もう!」
と僕は重ねて言うのである。
なんだ?うるさいな。と白髪の老人が無言で振り向くのである。
「おれを弟子にしてくれ」と、僕は言うのである。
弟子など取らん!と白髪の老人は言うのである。
「そこをなんとか!頼もう!頼もう!」と僕は言う。
弟子なんて取らんと言うとろうが!ここは会員制じゃ!と白髪の老人が言う。
えっ?そうなの?
おまえ、会員になるのか?
「はい、なります」
ここは嵐山窯。
神社の裏にひっそりと建つ掘っ建て小屋。
頼もう!頼もう!
そんなわけで、僕は「嵐山窯」の会員になった。