夜の寒さは受け入れられても、昼間の寒さはなんとも受け入れ難い。
そんな時は、実益を兼ねて、山へ入るのだ。
荷物をコロコロするカートを改造して作った薪背負い器。ゴムバンド二本。
そう、朝から薪拾い。長い冬。薪はいくらあっても困ることはない。困るどころか、全然足りない。
ハァハァと白い息を吐きながら山の中腹まで登る。
うちの裏山には、まるで、薪にどうぞ!と言わんばかりの長さに切られた樹がわんさか積まれている。
つまり、そのわんさか積まれている樹の中から、薪に向いている樹を選んで運んで来るのが、僕の薪拾い。
三浦雄一郎は、トレーニングのために、数十キロの荷物を担いで原宿の街を散歩する。
シングは、寒さをしのぐために、数十キロの薪を担いで山を降りる。
おそらく、20~30キロくらいはあるんじゃないかと想う。カートに薪を積んで崩れないようにゴムで縛る。それを担いで立ち上がるのが難しい。お尻を地べたに付きながらショルダーベルトを通すので、そこから立ち上がるのは至難の技だ。
なんとかかんとか、しゃがんだ状態まで持ってくる。そこから立ち上がるのだ。背中に30キロの荷を担いだまま立ち上がるのだ。そう、まるで重量挙げの選手のように。
普通に登り下りの出来る山でも、荷を担いで下りるのは大変だ。足元は落ち葉、腐葉土。身体と荷の重さが合わさって、ズルズルと沈む。・・・滑ったら死ぬ。
薪の長さは大体1メートル半。山は森。真っ直ぐに歩くと薪の両端が樹に当たる。横向きに歩く。カニだよ。カニ。薪を背負ったカニだよ。
なんとかかんとか家まで降りて来る。川を渡る。
最後の難関は、落差80センチの階段だ。引っくり返ったら・・・死ぬ。川に落ちて死ぬ。
うぉぉぉ!と声を上げながら登る。
そんなことをしていると、自然と身体は温まる。そして、ふと思うのだ。
昔話か?今は鎌倉時代あたりか?
いや、今は21世紀だ。2012年の12月だ。
もうすぐ誕生日だ。
さて、ブログを書いていたらまた身体が冷えた。
あと二往復くらいするかな。
おしまい。