6月10日は「時の記念日」です。“日本の記念日”の一つですが、残念ながら“国民の休日”ではありません。
1920年(大正9年)、東京天文台と生活改善同盟会によって、日本国民に「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と呼びかけられ、時間の大切さを尊重する意識を広めるために設けられたのが制定の経緯と意義だそうです。
“6月10日”にした根拠は、「『日本書紀』天智天皇十年四月辛卯条(西暦671年6月10日[旧暦4月25日])」に由来しているとのことです。その記述の要約は、
「天智天皇が皇太子のときに自ら製造した漏尅(漏刻=水時計)をこの日宮中に設置して動かし、正時に鐘を打って時刻を知らせた。」
洋の東西を問わず、文化を形成・向上させるには、時間の観念が根付いていることが重要な要素のようです。
10年前(1999年)の2月に、暦に関する1冊の児童向け図書が出版されました。暦の歴史的な出来事を興味深く知ることができ、主人公とともに冒険しているような気分にもしてくれる。大人でも十分楽しめる本だと思います。
書籍名:「ティバルドと消えた十日間」
著 者:アブナー・シモニー(Abner Shimony)
哲学者、理論物理学者、ボストン大学の名誉教授
訳 者 : 熊谷千寿
発行所 : 翔泳社
初版第1刷発行日:1999年(平成11年)2月20日
“概略”
迷信と科学の混在する16世紀イタリアを舞台にした、暦から消えた10日間をめぐる物語。
1582年、ローマ教皇グレゴリウス13世は、これまでのユリウス暦(太陰暦)をやめ、太陽暦(グレゴリウス歴)に改めることを決意した。改暦によって、これまでにズレが生じていた10日間が削除されることとなった。
物語の主人公ティバルドは、この10日間に自分の誕生日があり、教皇に接見して直訴するなど獅子奮迅の活躍をして、自分の誕生日を取り戻す。。。。。。
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