「秋の日は釣瓶落とし」
そんな言葉がしっくりくる昨今、山上憶良が詠んだ歌を思い出しました。この歌が元となって「秋の七草」が決まったとの説があります。
萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花
姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花
(万葉集・巻八 1538)
といった訳で、10月1日、季節の花である“萩の花”を観に、須磨・妙法寺の「萩の寺」明光寺(みょうこうじ)に行きました。
「萩の寺」明光寺は、神戸市営地下鉄妙法寺駅から東へ徒歩18分の位置に在ります。
住所は、神戸市須磨区妙法寺字岡775-3 です。
神戸市須磨区の高取山山麓にある明光寺は、秋の七草の一つ萩の神戸きっての名所で、「萩の寺」として知られています。
十数種・約500株が境内を埋め尽くすように咲き乱れる萩の見ごろは9月中旬から下旬頃です。
この寺の創建時期は不明ですが、古くは天台宗で明光寺といい、1650年(慶安3年)の検地では阿弥陀堂とだけ表示されており、1692年(元禄5年)には伽藍が建立されておりました。後に黄檗宗(おうばくしゅう)に改宗されたようです。本尊は阿弥陀如来木像です。
バス道でありながら、狭い対向二車線の県道22号から、更に狭い参道の山道を上がり切ったところに、普通車2・3台分程度の駐車スペースがあります。
駐車スペース右手の石段十数段を上がると本堂があります。
平成9年12月に、「新・こうべ花の名所50選」に選定されたようです。
【関係情報】
○秋の七草(「広辞苑」第六版より)
秋の野に咲く代表的な七種の草で、萩(はぎ)・薄(すすき=尾花)・葛(くず)・撫子(なでしこ)・女郎花(おみなえし)・藤袴(ふじばかま)・桔梗(ききょう)の称。
万葉集では桔梗のかわりに朝顔を入れるが、この朝顔も桔梗のこと。
○黄檗宗(おうばくしゅう)
臨済宗、曹洞宗に次ぐ禅宗の一つ。
本山は隠元隆(いんげん りゅうき)の開いた、京都府宇治市の黄檗山萬福寺(おうばくさん まんぷくじ)。
○隠元隆(いんげん りゅうき)
念仏禅を特徴とする明朝禅を日本に伝えた。
また、日本における煎茶道の開祖ともされている。
いんげん豆(隠元豆)は、隠元が来日した際に日本に持ち込んだため、その名が付いたとされる。
【関係サイト】
○ 神戸市須磨区のみどころ(神社・寺院)
○ 黄檗山萬福寺