わが社では、2005年6月よりLANの無線化を実施するとともに、イントラネット(WAN)構築では光回線を利用したNTT西日本の“フレッツグループ・サービス”を中心に、NTTコミニュケーションズのインターネットVPN、K―オプティコムの光回線などを利用しています。
しかし、イントラネット回線にしろ、無線LANにしろ、情報システム利用業務においてはまだまだ自由度が妨げられていると思います。
拠点の増設に対しては新たにネットワーク回線を敷設しなければならず、工事期間は1~2ヶ月を要します。LANは無線化しているとはいえ、アクセスポイント設置には電源確保、LANケーブルの敷設、周辺の無線波との競合回避など煩わしいことが多いのです。
いっそのこと、全クライアントを無線通信端末化し、インターネットからのSSL-VPNでの接続にすれば、有線イントラネットとLANの殆どを廃止できるのではないでしょうか。
地上波が弱い地域での業務が必要な場合には、衛星通信の利用も考えることができます。
あらゆる無線通信サービスを必要に応じて使い分け、全てのクライアントをリモートアクセス端末にすれば、イントラネットが不要となるばかりか、BCP対策の一つも進展することになりますので、検討の価値は十分にありそうです。
ただ、この時注意を要するのは、サーバ室(データセンター)とインターネット・プロバイダーを結ぶ回線の品質です。アクセスがインターネット経由となり、従来のままではトラフィックが大幅に増加し、クライアントとサーバとの通信レスポンスが低下あるいは不通になる(切断する)といった事態になりかねないからです。
最新のネットワークサービスやクラウドサービスなど、新しい情報システムサービスの導入を検討し、可能なものを取り入れるなど、プロバイダーとの接続回線の負荷の軽減化や回線品質の増強が必要になると思われますが、従来のWANやLANが必要なくなるのは魅力ではないでしょうか。