彼岸(ひがん)とは雑節の一つで、春分・秋分を中日とした前後各3日を合わせた各7日間を指していいます。
2018年は春分の日が3月21日なので、3月18日~24日、秋分の日が9月23日なので、9月20日~26日が彼岸となります。
「おはぎ」と「ぼたもち」は基本的に同じ食べ物で、どちらか一方で呼ばれることの方が多いのですが、季節・大きさ・材料によって呼び分けられることもあります。
1.春と秋で・・・
ぼたもちは漢字で「牡丹餅」と書き、春の彼岸の頃に咲く“牡丹の花”に似ていることから付いた名です。
おはぎは漢字で「御萩」と書き、これも秋の彼岸の頃に咲く“萩の花”が咲き乱れるさまに似ていることから付いた名です。
このことから、春に作るものを「ぼたもち」、秋に作るものを「おはぎ」と呼び分ける地域も多くありましたが、現在は、季節によってよび分けられることは少なくなりました。
ちなみに、夏は「夜船(よいふね)」、冬は「北窓(きたまど)」ということもあります。
ともに、同じ言葉遊びから生まれた名で、おはぎ(ぼたもち)は、杵を使って餅をつかずに作れるため、音がせず、何時ついたかわからないことから「搗き知らず」と言われることがあります。
また、夜は暗くて船が何時着いたか分からないことから「着き知らずと考え、それを「搗き知らず」と掛けて、「夜船」といったようです。
更に、北向きの窓からは月が見えないことからこの窓を「月知らず」と考え、それを「搗き知らず」と掛けて、「北窓」と言ったとも考えられています。
2.大きさで・・・
大きさによって「おはぎ」と「ぼたもち」を呼び分ける地域もあります。
これも牡丹と萩に通じるもので、それぞれの花の大きさの違いから、ぼたもちは大き目に作り、おはぎは小さ目に作られます。
3.餡子(あんこ)で・・・
おはぎには「粒餡」、ぼたもちには「漉し餡」を使い、餡子の違いによって呼び分けることもあります。
収穫時期となる)秋の小豆は皮まで軟らかいことから、秋のおはぎには粒餡を使い、一方、春の小豆は冬を越して皮が硬くなっていることから、春のぼたもちには「漉し餡」を使ったためといわれています。
4.その他・・・
そのほか、“もち米”を主に使ったものを「ぼたもち」、“うるち米”を主に使ったものを「おはぎ」と呼び分けたり、小豆餡を使ったものを「ぼたもち」、きな粉をつかったものを「おはぎ」と呼んだり、餅の状態になるまで搗いたものを「ぼたもち」、米粒が残ったものを「おはぎ」と呼んだり、)多くの呼び分け方があります。
春と秋の季節も含め、これらの違いは地域やメーカー、販売店によって、逆転するなど違っており、全国共通ではありません。
「あんころもち」は「餡衣餅」が転じた言葉で、外側を餡で包んだ餅を指します。
「おはぎ」(「ぼたもち」)も餡で包むため、「あんころもち」の一種と考えられます。
「あんころもち」は米の粒が無くなるまで完全に潰した餅を使い、米粒が残る程度に搗いた餅を使う「おはぎ」(或いは「ぼたもち」)と区別されます。
このことから、「あんころもち」を別名「全殺し」とか「皆殺し」と言い、おはぎ(ぼたもち)を別名「半殺し」ともいいます。
また、外側が餡ではなく餅で、餡を餅でくるんだ大福餅のようなものを「あんころもち」と呼ぶ地域もあります。
やはり、私としては、1番の説が「風情があっていいな」と思います。
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