「染まずただよふ」

・・・塾講師スミレの日記・・・

今年の第一号

2022年11月18日 | 今日のお仕事 
今回の模擬テストをドタキャンした生徒がいます。
この生徒は前回の模擬テストもドタキャンし、通常の授業も来たり来なかったり。
特に、定期テストが近くなってくると「気分がのらない」と言ってサボりがち。
この態度にはボスも手を焼いていました。

学校も遅刻しがちで、提出課題は一切出さない。
でも、ルーズというよりは自意識過剰な完璧主義者で
100じゃないならすべて一緒(=0)と考えているみたい。
まだ本気を出していないけど、本気を出せば俺はスゴイと
信じているフシがあります。そんなわけないのに。

だからテストで結果が悪くても
今回は準備が足りなかった、次は全力を出す、と言い
テスト直前になると、今はまだ本気を出す時期じゃないとか
今日はそんな気分じゃないとか、意味不明なことを言い出し
不本意な結果に言い訳をするという繰り返し。

自分が自分で思うほどの力がないということを認めるのが怖い
現実から逃げているだけ、なんですよね。
年齢的にそういう年頃で、他の生徒たちも多かれ少なかれ
同じ思いを抱えて、それぞれが折り合いをつけながら
頑張っているのを見ているので、「逃げるな!」
「逃げきれないし、今のうちに受け入れたほうがいいぞ!」
と思うんだけど、本人にはなかなか伝わらないのがもどかしいです。

お家の人は白旗状態で、
とりあえず健康で、遅刻しても学校に通ってくれていればいい
高校も、本人が行く気になってくれれば公立でなくてもいい
とハードルがだいぶ低め。

塾としては、来てくれないことには指導もできないし
入れる高校でいいとなると受験指導の内容も
他の生徒と違ってきてしまうし・・・
いろいろ考えた結果、卒塾(退塾)してもらうことになりました。

お家の人も、塾のある日になると始まる
「塾に行かないなら退塾しなさい」「塾はやめたくない」
「だったら行けばいいでしょ」「今日は疲れたから休む」
の口論に疲れていて、塾から引導を渡してほしいという要望もありました。

学校の先生からは今の学力で入れそうな私立高校をそれとなく勧められていて
お家の人はそれで了承しているというので、我々もそれに乗っかって
本人に進路面談というかたちで話をし、
そこに行くなら塾でお手伝いできることはほぼないという話をして
本人に納得してもらいました。

個人的には、小学校クラスから見ている生徒だったので
ちゃんと合格するところまで見届けたかった気持ちもあるんですけど・・・

これから先、この生徒だけでなく
受験のプレッシャーから現実逃避しようとする生徒が出てくるので
せめて塾にいる間くらいは現実を受け入れてもらうように
仕向けたいと思っています。
逃げたくなる気持ちもわかるけど、逃げるほどの強敵じゃないんですよ。
終わればみんな気づくこと。

それにしても、例年スポーツ推薦の生徒が卒塾していく時期なのですが
今年はスポーツ推薦はいなそうなだなあ。


コメントを投稿