花渕山の登山道でツルシキミの写真を撮っていると、すぐ脇にスギの小苗のような
草が生えていて、周囲を探すと七本ほどありました。
よく観察すると、葉の作りがヒカゲノカズラに似ていますから、羊歯植物でしょう。
その後も道の両側を探しながら歩きましたが、他に二箇所で五六本ずつの自生を
確認しただけなので、かなり希少な羊歯と思われます。
二枚 . . . 本文を読む
花渕山の標高800m辺りの、ブナの森で見かけたギンリョウソウです。
ギンリョウソウは光合成を行わないため、葉緑素を全く持っておらず、茎も花も
鱗片状に退化した葉も、全てが真っ白です。
普通の植物は発芽し、葉を茂らせ、光合成で養分を得ています。
それから花を咲かせて種子を実らせますから、数ヶ月間地上に姿を現しています。
ところが、ギンリョウソウは全ての養分を土中の菌類から得ていますから、地上に現れて . . . 本文を読む
大崎市鳴子の、花渕山登山道の標高600~800mには、クロベの大木が林立しています。
クロベは痩せた尾根筋や北向きの急斜面に自生しています。
この木がそのような地形を好むこともありますが、厳しい地形ゆえ伐採されずに、
今日まで残されているとも言えるでしょう。
伐採しても搬出するのが困難ですし、急峻な地形の樹木を伐採すれば、土砂崩れを
おこす危険性が高まりますから、昔から伐採を戒めていたのでしょうね . . . 本文を読む
南三陸町歌津の、黒色頁岩の岩壁に咲いていたキリンソウです。
公園や民家の庭先に植栽されているキリンソウに比べて、丈が低いし、葉の長さも
つまっているので、最初に見たときはイワベンケイかと思ったほどです。
イワベンケイの葉はサボテンのように厚いですからね、キリンソウで落ち着きました。
写真の自生地は海面から6mほどですから、大津波を被ったはずですが、塩害に強い
のでしょう。翌年の夏に訪れたときには、 . . . 本文を読む
この植物は三年ほど名前が判らず、私の中で温め続けていたものです。
南三陸町歌津の半島部の海岸で、防波堤の内側の草地に生えていました。
葉の形からボタンボウフウと思い込んだ時期もありましたが、これは葉の色が
白みを帯びた青緑色で、表面に光沢がないので、別ものと判りました。
いつまでも放置するのは情けないですから、「セリ科」を総ざらいすることにしました。
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