新橋演舞場 12時。
セピアトーンのスクリーンに戦のイメージが映し出され、『それはいつともしれぬ昔。どことも知れぬ島国。累々と重なる死人の山から・・・』淡々と文章が流れ、劇団☆新感線と七代目市川染五郎による『朧の森に棲む鬼が』スタートしました。
いのうえ歌舞伎と呼ばれる芝居も、劇団☆新感線も、初の体験です。
気に入るかな?という心配もすぐに忘れ、真剣に見入ってしまいました。
市川染五郎の存在感もさることながら、マダレ演じる古田新太の存在感も良いですね。
5月のシアターコクーン、稀代の大悪党を演じる薮原検校も観てみたくなりました。
5月末くらいになれば仕事も落ち着くはずなので、とりあえずはチケットの予約にチャレンジを。
本題に戻って、市川染五郎演じるライ。
その場その場で嘘を重ね、人を欺いていく。
古の神とも、妖怪とも思えるような朧たちからの取引に応じて剣を手に入れる。
己の舌先と同じように動かせる剣。
2つの武器で、2国を翻弄し国の王にまで昇っていく様、古くからの相棒すら裏切ってしまうライ。
人を欺き、周囲を断ち切り、頂点に上り詰めたにも関わらず、自分の業によって追い込まれていく様は、現代の社会にも通じるものがあるのかもと、ふと考えてしまいました。
ラスト近く、ライが孤立し傷つきながら叫んでいる様は、悲しみとは違った涙が浮かんできます。
なにが、ここまで・・・。
そんな気持ちが、後に残ります。
カーテンコールでは、アベサダヲさんの熱唱があり、観客は全員総立ちのロックコンサート状態で盛り上がりました。
今日の公演が千秋楽と言うことで、恒例?のせんべい撒きがありました。
2階席だったので無理かな思っていたら、突然朧を演じていた方から手渡されて、ちょっとビックリでした。
観劇の第1弾は、満足度高いものとなりました。