軽度の精神遅滞で施設に入所している80歳男性が全身の浮腫で内科新患を受診した。3年前から循環器科でPCIを受けている。今月初めから胸部苦悶を訴えて浮腫が出てきた。1週間前に循環器科を受診したが、心機能には異常がなかった。その後浮腫が増悪して今日受診した。血液と尿の検査で尿蛋白陽性(スポットだが、10g/dl以上)・低蛋白血症を認めた。前立腺癌で基幹病院泌尿器科に通院しているがPSA値は正常域だった。
透析眼科の指示をだしていた腎臓内科医に相談して、腎センターのある専門病院に紹介することになった。膜性腎症らしいが、炎症反応が軽度に上昇して、血尿も目立つことから、ANCA関連腎炎も否定できない。検査でANCAを追加提出したが、外注なのですぐにはわからない。精神遅滞は軽度で、身の回りのことは自分でできる人なので、腎生検を含めてきちんと検査・治療ができると思われた。
今日は忌中で休んでいる消化器科医の外来を手分けして診ていた。非代償性アルコール性肝硬変の患者さんや肝門部癌で経過をみている患者さんなど難しい人もあったが、なんとか乗り切った。