年末が近づいてくると、高齢の入院患者さんをいつ退院させるかが問題となる。お正月を自宅で過ごせるように年末退院というのが一番多いが、逆に年末年始は病院に置いてほしいという希望もある。
食事摂取困難となって数カ月で10Kg体重減少して、誤嚥性と思われる肺炎で入院していた78歳女性は、肺炎治癒後に点滴を継続していたら、なんとか全粥刻み食(とろみ付き)が食べられるようになった。胃ろう造設の相談もしていたが、今回は行わなくてもよいことになった。まあ、いつ誤嚥性肺炎が再発してもおかしくない。家族の希望は年末外泊させて、いったん年始に病院に戻り、調子がよければ退院を考えるというものだった。
75歳弾性は脳血管障害で寝たきりとなり、嚥下障害で胃ろうによる経管栄養(腎不全用のリーナレン)を受けている。2か月前にひどい肺炎で入院して、なんとか治ったものの、肺にかなりの後遺症を残していた。もともと糖尿病腎症が進行していて、本来ならば透析の準備(シャント造設)をする段階だが、実際は慢性透析の適応はないと判断された。尿毒症になれば、それまでということになる。現在ぎりぎりのところで過ごしているが、年末に退院にするかどうか、来週の検査結果をみて奥さんと相談する予定だ。
診療とは関係ないが、病院事務が給料計算(控除などの扱い)でミスをしたために、12月の給料からかなり引かれる職員が出た。循環器科医は40万引かれるというので、怒っていた。「辞めてやる」と言いたくなるのも無理はない。事務の方は、一応あやまったものの、これまで多めに出した給料分を引くだけということで、あっさりしたものだった・病棟の看護師のひとりは、12月分から19万一気に引かれることになった。事務としては、毎月少しずつ引いて調整するのではなく、年末いっぺんに整理してしまいたいようだ。