先々週に両側肺炎で入院して先週末に退院した60歳男性が、昨夜また発熱で救急外来を受診した。昨夜は神経内科医が当直だったが、脳梗塞後遺症の高齢者2名が入院して、感染性胃腸炎の患者もいて忙しかった。とりあえず抗菌薬を入れておくので、明日から診てほしいという電話が来ていた。
両側肺炎といっても左右の浸潤影は狭い範囲のものだった。肺の基礎疾患はなく、普段元気な人がなぜ両側に浸潤影ができてしまうのか、わからない気がしていた。酸素飽和度は正常域で、酸素吸入は不要だった。培養に出すべき痰は出ず、尿中肺炎球菌抗原は陰性だった。深夜入院させた応援医師がゾシンを開始していたので、そのまま継続したが、順調に解熱して炎症反応も改善していた。非定型肺炎ではない。治療語の胸部X線では、右肺の陰影は減少して、左心陰影背側の浸潤影も右側ほどではないが減少していた。早期の退院を希望していたこともあり、抗菌薬を8日投与して終了とした。
今日胸部CTを再検してみたが、右肺の陰影は改善していたが、左下肺野の陰影は増加していた。単純に治療期間が足りなかったということなのだろうか。肺癌や抗酸菌感染が隠れているようにも見えないが。まずは抗菌薬投与で経過をみることにした。