なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞、おそらく脳塞栓

2012年12月26日 | Weblog

 昨日の当直は若い外科医だった。午前3時ごろに救急搬入された脳梗塞の85歳女性を入院させていた。心房細動・心不全で内科医院に通院していた。4年前まで当院の循環器科に通院していたが、担当の循環器科医が他の病院に転勤になったのをきっかけに近くの開業医に紹介された。その頃からバイアスピリンが処方されていて、紹介状にはワーファリンの使用を勧めましたが、同意されませんでしたとある。まじめな先生だったので、納豆が禁止になることや出血のリスクなどを丁寧に説明したのだと思う。4年たった今なら当然ワーファリンになるはずで、あるいは新規の抗凝固剤になったかもしれない。

 早朝にトイレに行こうとして倒れているので、動脈硬化で睡眠中に詰まり始めていた可能性も否定はできないが、発症は急であり心房から血栓が飛んで脳塞栓を起こしたものと判断される。MRAで右中大脳動脈が閉塞していた。その領域に梗塞巣が出始めていた。神経内科医と相談して、エダラボンの点滴静注で治療を開始した。心房内に血栓が残存しているかどうか心エコーで確認する必要がある。

 それにしても著名な心拡大があり。肺うっ血もあり、葉間胸膜の胸水も少しある。心機能は相当低下しているはずで、心房細動・心不全自体でも入院治療が必要になる寸前だったと思われる。

 急性期を乗り切っても、左完全麻痺なので介助で車椅子程度になるのが精いっぱいだろう。嚥下障害があまり出ないで、食事摂取さえできれば十分と思う。

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