なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

手術歴のない腸閉塞

2013年10月16日 | Weblog

 昨日、施設入所中の80歳女性が2日前からの腹痛・嘔吐で救急搬入された。脳梗塞後遺症で失語症がある。詳細な問診はとれないが、腹部の圧痛は間違いない。腹部造影CTを行うと、小腸が拡張して消化液の貯留を認めた。腸閉塞だった。手術歴はない。やせた高齢女性で閉鎖孔ヘルニアかとも思ったが、違った。

 拡張した小腸をたどっていくと、子宮のあたりで急に細くなっている。外科医に診てもらうと、子宮広間膜ヘルニアではないかという。腹水が軽度にあるが、炎症反応の上昇は軽度で、小腸壁は造影されていて虚血性変化はないと判断された。外科は、まずイレウスチューブを入れて保存的に治療を開始するという。数年前に同じ外科医に回盲部ヘルニアで腸閉塞となった患者さんをお願いしたことがある。すぐに手術するのかと思っていたが、保存的に治療が開始された。結局は治らずに、4日後に手術になった。

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