内科外来に高血圧症・脂質異常症で通院している60歳女性が先月末からの心窩部痛で受診した。今月初めの予約日に受診した際に、心窩部違和感があついう話があった。もともとGERDでPPIが処方されていて、7月に上部消化管内視鏡検査を健診として行い、異常がなかったこともあり、粘膜保護剤の追加で経過をみていたが、はっきりした心窩部痛となって再受診した。血液検査で肝機能検査があり、念のために提出した腫瘍マーカー(CA19-9)が高値だった。腹部エコーで膵頭部に低エコーの腫瘤像があり、総胆管と主膵管が軽度に拡張していた。すぐに腹部造影CTで確認すると、確かに膵頭部に腫瘍像があった。まだ若い方で、できるだけの治療を受けてほしいので、大学病院の専門科に紹介させてもらうことした。鎮痛剤としてトラマールを処方して、紹介状と画像を入れたCDを用意して、明日受診の予約をとった。患者さん本人と家族のショックは大きく、こちらもどう対応すべきか困ってうろたえてしまった。
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