「肺MAC症診療Up to Date」を購入した。春の化学療法学会のランチョンセミナー(化学療法学会では教育セミナーという)で非結核性抗酸菌症(NTM)の話を聞いた。その時の演者の先生が編集していたので買ってみる気になった。外来でNTMを診ることがたまにある。大学病院からの応援医師による呼吸器外来があるので、そこで経過を診てもらっているが、困るのは増悪した時にどうするかだ。それである程度進行した患者さんは呼吸器科のある病院の管理にしてもらっている。
現在、基幹病院の呼吸器科に通院していた78歳女性が入院している。1か月前から発熱が続いていた。外来を受診するたびにカロナールだけ処方されていた。家族が困って当院内科を受診した。一般細菌の肺炎の併発を考えて治療してみるが、軽快するかどうかわからないとお話して、それでも良ければ当院で入院治療しますということになった。
入院後にファーストシン点滴静注で解熱してきて、その後画像から真菌感染も疑われてファンガードを投与した。全体的には改善して検査値もよくなった。それでも時々発熱があり、呼吸器科処方のクラリス・エタンブトール・クラビットの処方のうちクラビットをアベロックスに変更してみた。苦し紛れだが、結果的には良くなった。いったん退院して外来で経過をみる予定だが、再入院もやむなしという退院だ。
それにしても、一般内科として間質性肺炎やNTMの成書を購入するのは、やりすぎかもしれない。広い分野を担当するので、基本的には各分野の代表的な本を一冊購入して、それを読み込むほうがいいと思う。興味があればあるいは必要があれば、その分野をある程度突っ込んで勉強してもいいのだろうが、きりがなくなってしまう。