なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

成人発症スチル病

2015年03月10日 | Weblog

 内科新患担当の若い先生からスチル病でしょうかと相談を受けた。近くの小規模病院からの紹介で受診した64歳女性だった。症状は関節痛(両側手関節で膝・肩にも疼痛ありか)・発熱・皮疹・咽頭痛だった。白血球数8300、CRP2.9、血沈81mm/時と上昇していた。紹介先の病院で血清鉄とフェリチンを測定していて、フェリチンが4000だった。高いフェリチンで思いついたという。当院で再検すると、血清フェリチンが9000だった。これは成人発症スチル病だろう。

 基幹病院にリウマチ膠原病外来が月2回(大学病院から)あり、それ以外の日は腎疾患担当の常勤医が診察している。うまいことに、明日大学の先生が来る外来があるので、そこに紹介することにした。プレドニン50~60mg/日で治療する疾患なので、当院では診断がつき次第、あるいは疑われた時点で専門医に紹介することにしている。

 外来を診ていると、整形外科の先生から電話が来た。整形外科に入院している84歳女性が昨夜から発熱・腹痛・嘔吐があるので診てほしいというものだった。左膝関節の人工関節置換術(大学病院整形外科の先生が執刀医)を受けて術後6日だった。病室に行ってさっそく診察をした。既往としては胃切除術後で帝王切開もしていた。以前に内科クリニックで胆嚢結石を指摘されたそうだ。右季肋部に圧痛があり、ごく軽く触診しても痛がる。急性胆嚢炎のようだ。腹部エコーで胆嚢腫大・胆嚢壁肥厚・胆嚢内結石とdebrisを認めた。さらに、腹部造影CTを行うと、胆嚢周囲の肝臓も造影されて、炎症の波及と判断された。これは抗菌薬のみでは治まらないだろう。外科の先生に相談してもらうことにした。その後、外科転科で胆道ドレナージが予定された。

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