なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

サイエンス漢方処方セミナー

2015年03月07日 | Weblog

 今年度3回目のサイエンス漢方処方セミナーに行ってきた。今回のテーマは「女性と漢方」、「多愁訴の漢方治療」。漢方医学からみた女性の特質は、骨盤内の微小循環障害が起こりやすいことから、冷え性・便秘・月経関連症状、片頭痛という。

 女性向けの漢方薬は当帰芍薬散などある程度おなじみの処方だ。また、いわゆる不定愁訴に対する処方を、主に身体症状の呼吸器系・循環器系・消化器系・泌尿器系と主に精神症状の全般性不安障害・不安発作・不安と抑うつ・抑うつ傾向に分けて、それぞれに適した漢方薬の話をわかりやすくされた。

 講演の本質以外のことになるが、癒着性腸閉塞の治療には大建中湯を使用するが、予防には桂枝加芍薬大黄湯を使用するというのは知らなかった。外科でも治癒退院後に大建中湯をそのまま使用していた。

 加味帰脾湯は精神症状にも使えるが、血小板減少症に効果がある。1年はかかるが、血小板数が5~7万くらいにはなるそうだ。PAIgGも減少する。また、貧血と白血球減少がそれほどない再生不良性貧血にも使えるという。ついでの話で出たが、人参養栄湯は貧血に効果があり、MDSにも効くというのは驚いた。

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