なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

認知症の講演会

2015年03月04日 | Weblog

 認知症の講演会に行ってきた。講師は大学の高次機能障害の教授で、主にレビー小体型認知症の話だった。アリセプトがレビー小体型認知症の適応をとったことによる。共催は当然エーザイ。

 意識障害の鑑別にレビー小体型認知症もあるという。意識障害というよりは睡眠状態になるが、1時間ほどすると覚醒する。そうなることを家族に説明しておかないと、救急搬送されてくる。また施設入所者の場合は、施設側に説明しておかないと、これまた救急搬入される。

 幻視とパーキンソン症状があれば、臨床的にレビー小体型認知症と診断されるが、病初期はアルツハイマー型認知症としかいえないこともある。両者が合併しているとするか(半数はアルツハイマーの病理像を合わせ持つ)、最初からレビー小体型認知症だったのかは難しいそうだ。また、REM睡眠行動異常があると、5年から10年でにレビー小体型認知症が発症する可能性があるという。

 アリセプトが有効だが、5mgで効果がなくて10mgにすると効果が出る場合もあるということだった。パーキンソン症状に対して、抗パ剤も使用するが、特発性パーキンソンン病のようには効かない。抗精神薬、抗ヒスタミン薬、抗コリン薬で症状が悪化するので禁忌だ。

 特発性正常圧水頭症はかなり見逃されている。VPシャント・LPシャントの手術で歩行可能になる可能性があり、疑ったら専門医に紹介してほしいという。認知症の統計に占める割合が低すぎると嘆いていた。専門医だけでは到底認知症の患者さんを診きれないので、一般医と専門医との連携が大切というのは、どの分野でも一緒なのだろう。

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