なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

日曜日日直での外来受診

2015年03月09日 | Weblog

 昨日の日曜日に救急外来を受診した患者さんで印象に残ったのは以下の方々だった。

 89歳女性が3日前から後頸部痛が続いて受診した。前後にも左右にも首が回らない。意識清明で発熱はなかった。さっそく頸椎CT(頭部から撮影)を見ると、軸椎の歯突起周囲に石灰化を認め、頸椎偽痛風と判断された。NSAUD(セレコックス)を処方して経過をみることにした。

 77歳男性が咳が続いて昨夜は呼吸がひどかったという訴えで受診した。この方は地元の診療所から金曜日の当院内科新患(大学病院消化器科からの応援医師担当)に紹介されていた。胸部X線で左右の下肺野に陰影があるが、炎症反応に乏しいことから、心エコー検査が予定されていた。確かにBNPが80だったが、心不全症状はない。聴診で両側下肺野にVelcroラ音が聴取される。胸部CTで確認すると、両側下肺背側の胸膜直下に蜂窩肺の所見があり中下肺野にスリガラス様陰性が広がっていた。ただし、酸素飽和度は94~98%(室内気)と正常域だった。間質性肺炎と判断された。翌日の月曜日(つまり今日)基幹病院呼吸器科の予約をとることにした。

 精神遅滞で施設に入所している64歳男性は、昨日の夕食時にひどくむせって、その後から発熱があった。昨日救急外来を受診(大学循環器科からの応援医師担当)して胸部X線と血液検査行われていた。肺炎の陰影があって炎症反応上昇もあるが、とりあえず結果観察になったらしい。発熱・喘鳴が続き、日曜日にも受診した。胸部CTで確認すると両側誤嚥性肺炎だった。この方は食事をかき込んで食べてむせるそうだ。ゆっくり食べればむせない。付いてきた職員から入院しての点滴は困難という話があり、酸素飽和度が正常域だったので抗菌薬経口(アベロックス)で経過をみて、だめなら明日(月曜日)に来ることにした。結局今日受診して入院となった。強力な抑制は覚悟しての入院だが、どうなるか。

 外来を診ている時に、基幹病院消化器科の若い先生から問い合わせの電話が来た。先月初め(ちょうど1か月前)に当院消化器科で大腸ポリープの内視鏡的摘出術を受けた患者さんが、(当院ではなく)その病院を受診した。検査でS状結腸周囲に膿瘍があるらいしという。先月の当院での内視鏡処置について教えてほしいという。3日間の入院で、その後は紹介先の医院に返事が出ていた。特に問題はなかったらしいと思われた(当院は紙カルテなので画面でわかるのはオーダリングのみ)。明日月曜日に担当した先生からの診療情報がほしいので伝えてほしいと言われた。要するに、内視鏡処置の時にごく小さな穿孔が起こって、膿瘍形成に至ったのではないかということだった。

コメント
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