今日は日直で病院に出ている。受診数が10名ほどで、少なかった。市内の当番医が比較的若い先生の内科クリニックなので、そちらを受診しているのかもしれない。救急搬入もなかった。
97歳女性が嘔吐が続いて受診した。一昨年に内科医院の紹介で当院外来を受診した。CTで右肺に被包化された肺膿瘍を認めた。認知症があって、入院で抗菌薬投与するのが困難と思われた。食欲も良好で、酸素飽和度も正常域だったので、アベロックス200mg内服で経過をみた。軽度に上昇していた炎症反応も改善して、いったん治療中止としていた。
今日もCTで確認したが、一昨年と特に変わりはなかった。病変自体は固定してしまったようだ。腹部は腸管が浮腫状だったが、それ以外には特に異常を認めない。受診時に排便していて、オムツを開けてみると泥状便が多量に出ていた。微熱と炎症反応の軽度上昇を認めた。おそらく感染性胃腸炎の症状だろうと判断された。家族の希望もあり、入院で点滴することになった。
その他には、27歳男性が片頭痛で受診した。左眼の奥が痛いという。中学生のころからの片頭痛で、頭痛の前には視野の一部が見えにくくなるという症状が先行する。いつもは数時間で治まるが、今日はいつもより持続時間が長いので受診したという。頭痛の部位と性状はいつもと同じ。嘔気もしてちょっと嘔吐したそうだ。点滴とプリンペランの静注をして、イミグランを皮下注した。院内にあるトリプタン製剤は、ずっとイミグランのままで、その後に出た製剤に変更されていなかった。院外処方だと神経内科では違う薬を処方している。今後相談して、変更することにしよう。この患者さんは3年前まで、当院の消化器科に潰瘍性大腸炎で通院していて、アサコールで軽快した。大腸検査もする内科クリニックに紹介となっていたが、症状がないので今は全然行っていないという。UCの症状はないというが。
昨日頸部痛で整形外科に80歳代男性が入院した。外科系の日直医(大学からの応援医師)が入院させていた。整形外科の土日当番は大学の整形外科医で、入院がある時のみ対応する約束になっていた。今日になって入院時になかった38℃の発熱があり、病棟からその先生に電話連絡が行った。病院にいる先生に言って、点滴とインフルエンザの検査を出してほしいと指示がきた。今日は内科は私、外科は大学の外科医が日直をしていたが、私の方に病棟から依頼が来た。
昨日の血液検査を見ると、白血球数増加とCRP17と上昇している。右頸部痛で首が動かせないという。右上腕を動かすと頸部に電撃痛が走る。意識は清明。最初頸椎偽痛風かと思ったが、通院している当院消化器科の処方に腰痛に対するセレコックスが入っていて、入院してからも継続になっている。それでも偽痛風発作を起こす可能性はあるだろうが、先週のこともあり化膿性?と思った。指示の点滴を出して、指示はなかったが血液培養2セットをとりあえず出しておいた。MRIによる頸椎精査は明日整形外科で行ってもらおう。