なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わからない肺炎を紹介

2017年02月10日 | Weblog

 80歳代半ばの女性が先週の初めに、発熱・咳・痰を訴えて受診した。この方は昨年7月に外来で肺炎の治療をして、10月には肺炎で入院した。今回も同じ部位(右S5)に浸潤影を認めたが、今回は右S10にも浸潤影があった。

 昨年7月、微熱・咳・痰で受診した。炎症反応がほとんど上がっていない。胸部CTで右中葉S5に変な浸潤影を認めた。外来でクラビット内服を処方して、症状が軽快した(と判断した)。

 昨年11月にも同じ症状で受診して、同部位に浸潤影があった。軽度の白血球数増加と軽度のCRP上昇があり、入院でABPC/SBTの点滴静注をして、症状軽快して炎症反応も改善したので退院とした。

 今回は右S5の浸潤影と右S10の浸潤影で、前者のべったりとした陰影と違って、後者はいかにも肺炎様だった。白血球数正常で、CRPは軽度に上昇していた。喀痰が出せず、培養はできなかった、比較的元気だったのと、他に入院する患者さんが複数いて、外来で治療を開始していた。外来でグレースビット内服で経過をみて、いったん症状が軽減してCRPが少し下がったが、今日は症状もありCRPが少し上がっていた。

 これまでの経過を考えて、細菌感染なのかどうか、わからなくなった。入院してもらって、抗菌薬点滴静注(何にするか、PIPC/SBT?)で経過をみるのもあるが、地域の基幹病院呼吸器科に紹介することにした。

 誤嚥性肺炎をきたす部位ではあるが、誤嚥するような患者さんではない。器質化肺炎はこんな部位に起きるのか。非結核性抗酸菌症(NTM)だとしたら、ニューキノロンはまずかったことになる。

 

 

 

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