なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ウイルス性筋炎?

2017年02月01日 | Weblog

 内科再来を診ていると、市内の医師会長をしている先生(外科医)から電話が来た。63歳男性で、筋原性酵素が高いという。心電図をとってみたが、異常はないそうで、四肢の筋肉痛が少しあるらしい。来てもらうことにした。

 患者さんは普通に歩いて診察室に入ってきた。一昨日から上気道症状(鼻汁・咽頭いらいら・咳)があって、昨日そのクリニックを受診した。たまたま定期的な血液検査をすることになっていた。今日検査会社から報告が来て、CK5384・AST187・LDH806と高値だったので、患者さんを呼び出したのだった。心筋梗塞かどうか見るために、心電図をとったという経緯だった。

 筋肉痛は効けばあるという程度だった。蹲踞の姿勢から立ち上がるので少し苦痛があるようだが、患者さんはもともと膝が悪いせいという。血液検査を行うと、CK2348・AST104・LDH785と昨日の値よりも軽減していた。WBC4000・CRP0.1と炎症反応は陰性だった。

 高血圧症でARB1剤を内服しているだけだった。昨日総合感冒薬を処方されている。今月ウイルス性筋炎と思われる症状で入院した女性がいたが、この方もウイルス性筋炎が疑われた。心電図はたしかに異常なしで、心筋炎は否定的だった。(違うと思ったが、多発性筋炎のマーカーも出しておいた)筋原性酵素は下がってきているので、そのまま軽快していくのだろう。

 1週間の安静で経過を見るよう勧めた。この患者さんは大工さんで、今は大手住宅メーカーの下請けの仕事をしている。年末からずっと忙しかったそうだ。過重な肉体労働での筋原性酵素上昇も可能性はある?。毎日ではないが、年末から夜間にこむら返りがあるという。これも関係している?。

 今日から明日までは休みだが、明後日からは他県に出かけての仕事があるという。1か月くらい泊まり込みでの仕事だそうだ。一緒に来ていた奥さんに言われて、1週間後は当院を受診して、改善しているかどうか再検に来ることになった。アセトアミノフェンを処方したが、こむら返りに芍薬甘草湯を処方すればよかったか。

コメント
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