なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

雑多な診療でした

2017年02月11日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。通常土曜日は、午前中は開業医の先生方が診療しているので受診者は少なくて、午後から受診者が増える。今日は祝日(建国記念日)で当番医しかやってないので、午前中から受診が多かった。

 インフルエンザ迅速試験だけやっているような診療だった。救急搬入は2件。ひとりは70歳代後半の男性で、新年会で飲酒して(ふだんは飲まないそうだ)、嘔吐して一過性に意識消失した。救急隊到着時は意識は回復していたが、血圧70台と低下していた。昨日から風邪症状でかぜ薬を飲んでいたそうだ。搬入時も血圧は同じだったが、点滴しているうちに100台になった。ふだんも血圧は100ちょっとという。血液検査で貧血もなく、点滴2本目の途中で帰宅になった。

 もうひとりは現在も警察拘留中の30歳代前半の男性で、弁護士との接見中に倒れて、過呼吸状態になった。これで3回目の当院救急搬入で、当方とは2回会ったことになる。安定剤の点滴静注で、ひと寝入りして、過呼吸は治まっていた。警察で精神科や心療内科にも受診させていた。症状があれば、その都度病院を受診させないと弁護士から何かと言われるそうだ。

 血液透析を受けている70歳代後半の男性が発熱と喘鳴で受診した。聴診しなくても喘鳴が聞こえた。下肢の浮腫もあるが、程度は普段とかわりないそうだ。昨日透析に来ていて、年1回の胸腹部CT検診があった。画像をみると、両側胸水がある。肺うっ血・肺水腫の悪化による喘鳴も考えたが、今月初めの(症状がない時)胸部X線でも両側胸水が軽度にある。今日胸部X線をとって比べてみたが、両側胸水は今日の方が少ない。

 外来サマリーに肺気腫があり、喘息もと記載されていた。ACOSということらしい。インフルエンザ迅速試験でA型陽性と出た。炎症反応の上昇はウイルス感染だけでは説明できない値なので、細菌感染併発が疑われる。ネブライザー吸入を行うと喘鳴は軽減した。「いまさら訊けない透析患者薬剤の考え方、使い方」によると、イナビルだと常用量になる。喘鳴がまだあるのでタミフル内服にしたが、タミフルの場合は75mgの単回投与だった。抗菌薬はレボフロキサシンにして、初日500mgでその後は1日おきに250mg投与になる。解熱薬のアセトアミノフェンは通常量で使える。気管支拡張薬はβ2刺激薬吸入にした。

 木曜日に意識消失で救急搬入された女子中学生は、翌金曜日の当直帯でまた救急搬入されていた。自宅でピアノを弾いている時に意識消失した。搬入後に、意識は回復した。その後、聴覚障害や視力障害で小児専門病院を受診して、心因性の症状と診断された既往があることがわかった。2回目の脳波検査でも異常はなく、小児科では「心因性非てんかん性発作」という結論になった。救急で診た時に、疼痛刺激でもぴくりとも動かなかったが、大したものだ(何が?)と感心した。

コメント
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