なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

何か食べたらしい~異食による腸閉塞

2017年02月23日 | Weblog

 一昨日の夜間に施設入所中の20歳代後半の男性(精神遅滞)が、嘔吐・腹部膨満で救急外来を受診した。腹部X線(立位)でNiveauを認め、腹部CTで小腸が全体的に拡張していた。内科当番だったので、当直医から連絡が来たが、腸閉塞は外科で診ているので、当番の外科医にお願いしてもらった。手術既往がないというので、絞扼性が疑われた。ただし、その後で下痢が始まって結局胃腸炎だったという場倍があるので、ちょっと気が引けた。

 翌朝に画像を確認すると、胃から回盲部まで腸管が拡張していて、上行結腸は虚脱していた。放射線科の読影でも狭窄部は指摘できないとあった。胃内に食物が大量にあり、腹痛の訴えがほとんどないので、減圧のチューブなしで一晩経過をみたらしい。

 後で担当になった外科医に話を訊くと、患者さんは以前から布などの食物以外のものを食べることがあるそうだ。翌日になってから、排便があり、その中に何か白い塊があった。付き添いの母親がそのまま流してしまったので何だったかは確認できなかった。(下水菅が詰まる心配があるが大丈夫だった) 

 今回も丸めた布を食べたのではないかという。それが、画像では確認できなかったが、回盲部で一時的に詰まって、物理的に腸閉塞をきたしたようだ。うまく自然に排出されてよかった。詰まったままだったら、開腹手術になるところだ。

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