78歳女性が下腿浮腫と体重増加で内科新患を受診した。1か月前からあるそうだ。クリニックで利尿薬(ラシックス)を処方されたが、症状が変わらないという。
胸部X線・心電図は異常がなく、肝機能・甲状腺機能は正常域で、炎症反応陰性だった。血清蛋白5.9g/dl・血清アルブミン3.0g/dlの低蛋白血症・尿蛋白陽性(2.1g/gCr)で、ネフローゼを呈していた。血清クレアチニン0.6mg/dl。年齢的には膜性腎症を考えるのだろうか。
ちょうど腎臓内科外来(大学病院から)があったので、直接診察をお願いした。外注検査(抗核抗体・補体・血清蛋白免疫泳動など)が追加になって、来週の外来予約になった。貧血(Hb9g/dlで正球性)があり、骨髄腫も気になるようだ。高齢だが、理解力充分・ADL良好で、精査(腎生検)を考慮と記載されていた。お任せだが、正解は何だろうか。
今週MRさんから、自社のMR向けに糖尿病の話をしてほしいという話があった。「糖尿病専門医にお願いたらいいんじゃないですか」と言うと、「いやいや一般医家の話を聴きたいんです」と言われた。昨年も別の製薬会社のMRさんから同じことを言われた。スライドの準備をするのも面倒なので丁重に断った。たぶん他の病院の先生にも、同じ依頼をして断らわれたのだろう。こういうのが流行りなんだろうか。
糖尿病専門医より学術的な内容ではだいぶ劣るが、余計なことを盛り込んで面白い話ならできそうだ。病院の職員向けの話でも使えるので、スライドを作成しておくのもいいかと思った。自分用のまとめにもなるし。