なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺性心・右心不全

2018年10月12日 | Weblog

 9月末に94歳男性が両側下腿浮腫で内科新患を受診した。超高齢だが、ADLは自立していた。内科の若い先生(専攻医)が診察して相談された。

 発熱はなく、炎症反応は陰性だった。低蛋白血症・蛋白尿があり、そちらは腎臓内科(大学から週1回)で相談することにしていた。

 問題は胸水が右にだけあるということだった。心エコー検査では、三尖弁閉鎖不全Ⅱ~Ⅲ°があり、TRPG50mmHgと上昇しているが、EF64%と良好だった。気付かなかったらしいが、胸部CTをみると気腫性変化がある。長年の喫煙歴があり、現役の喫煙者だった。

 多少左右差があっても、両側にあると心不全といいやすいが、このように一側だけだと局所の問題かどうかが気にはなる。年齢もあるし、COPD・肺性心。右心不全として利尿薬で経過をみてはと勧めたが、やはり一側なのを気にしていた。

 呼吸器外来(こちらも大学から毎週来ている)で相談すると、胸腔穿刺をすることになった。ちょうど救急室にいた時に、呼吸器科の先生が穿刺をするところだった。胸水は淡黄色できれいだった。呼吸器科の先生に、「右心不全で一側にだけ胸水貯留することはどうなんでしょうか」と訊くと、「ありますね」とあっさり言われた。胸水細胞診は陰性で、抗酸菌塗抹陰性で胸水ADAの上昇はなかった。

 肺性心はあまりまとまった文献をみたことがないが、何かいいものがないだろうか(専門的過ぎるものではなく)。

 

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