昨日は内科当番だった。当直は大学病院からバイトに来ている外科医(女性医師)で、時間外になってすぐに救急要請がきていた。話ぶりからすると交通事故の搬入要請だった。これは外科か整形外科になるので、そのまま帰宅した。ひとりくらいは内科入院の連絡が来るだろうと思っていたが、結局連絡は来なかった。
今日病院に来て、昨日の当直帯の受診を確認した。87歳男性が意識レベル低下で救急搬入されていた。腹痛は訴えていなかったが、腹部に筋性防御ありと記載していたので、診察所見で腹膜炎を疑ったようだ。
立位はとれないので、座位で胸部単純X線を撮影していたが、胃泡に接して遊離ガスが写っていた。これさえ捉まえれば、方針は決定される。
腹部造影CTで腹腔内遊離ガス像を確認して、後は消化管のどこが破れたかになる。S状結腸に接して少量の遊離ガスがあり、その肛門側にS状結腸が疑われた。夜の緊急手術が行われた。
今日外科医に訊いたところ、S状結腸癌があり、癌そのものではなく、その口側で穿孔を来していたそうだ。
消化管穿孔が疑われて、立位がとれない時は、左下デクビタス(右だと胃泡と重なるので左)で撮影することになっているが、座位でもちゃんと写るのだった。
最近は腹痛で痛がっていても、(ショックでなければ)すぐ終わるから頑張って一瞬だけ立位になって、とお願いして立位で撮影している。腹部CTをとればわかるが、単純X線で遊離ガスがあれば即外科に連絡するので、診断治療の流れは速い。
今回は血圧が低下して(99/77)、意識レベルも低下しているので、立位は不可能だ。それにして夜間緊急手術の外科医は大変だ。年齢を考えると術後管理も順調にいかないかもしれない。