昨日の日曜日の朝に、内科日直の先生(外部の先生のバイト)から連絡が来た。82歳男性が脱力を訴えて(その後改善)受診したが、喘鳴が聴取されるという。蜂に刺されてからだった。
吸気時喘鳴なのでStridorで、上気道狭窄だった。聴診器を使わなくても聴取されるくらいの音と表現された。発疹は出ていないらしい。デカドロンを点滴静注していた。休日に耳鼻咽喉科で診てもらえるところは大学病院くらいしかなかった。大学病院に搬送してもらうことにした。
午後の早い時間にまた連絡が来て、大学病院で診てもらった結果、特に緊急性を要する状態ではないと帰宅となっていた。喘鳴は消失していた。デカドロンが効いたのだろう。経過をみるのに入院させたいが、老夫婦の二人暮らしで、妻はひとりで生活できないので、社会的入院で2人いっしょではという。特に問題がないのでそれで了解した。
その日は内科当番なので、急ぐことがなければ午後から病院に行って、そのまま泊まって待機する予定だった。病院に来るとその老夫婦は帰宅になっていた。奥さんが入院はいやだと言って帰りましたという。月曜日にまた受診することになっていた。
今日その患者さんが受診したので、経緯を訊いた。金曜日に左手掌を蜂に刺された。黒っぽい蜂だったというが、スズメバチかどうかはわからない。刺されて部位がちょっと腫れたので、市販のムヒを塗っていた。日曜日の朝に刺された部位が腫れて、手掌全体に広がった。それと同時に喘鳴が始まったそうだ。
呼吸困難ではなく、身体がだるいいう訴えで当院を受診したのだった。肥満があり、睡眠時無呼吸がありそうな体型だが、普段喘鳴はない。大学病院に行った時は喘鳴は消失していた。当院を受診した際に、横臥させてCTを撮影していた。呼吸が苦しくならなかったか訊いたが、大丈夫だったそうだ。喉頭蓋の腫脹はなく、あるとすれば声門浮腫だった。今日は症状がなくなっていて、嗄声ともいえなかった。抗アレルギー薬を3日分処方して経過を診てもらうことにした。
それにしても2日後に悪化したという、この時間差は何だろうか。二相性の変化がちょっと遅れて発症したということ?。このバイトの先生は1年弱毎月来ていたが、今月までと急に連絡が来ていた。どこかもっと楽なバイト先を見つけたのだろう。
「日本史のミカタ」が面白いので繰り返し読んでいる。現在でも位階は残っていて、叙勲後に正・従何位という位階がもらえるそうだ。総理大臣になると正あるいは従二位になるが、中曽根康弘元総理大臣は従一位と高位。