昨日夜間に背部痛で50歳女性が救急外来を受診した。隣県の総合病院に自己免疫性膵炎で通院しているそうだ。患者さん自身もそちらの県内在住だった。治療内容が正確にはわからない。
当直の外科医が検査したところ、炎症反応は陰性で(上がらないものだ)、血清アミラーゼも正常域だった。造影CTでは膵体尾部のソーセージ様腫脹と周囲のcapsule-like rimを認めて、典型的な自己免疫性膵炎の像だった。
どうも通院している病院の診療の不満があって、別の病院を受診してみたいと思ったそうだ。夜間に飛び込みで受診されても、これまでの経過もさっぱりわからない。
当直医から連絡が来たが、やはりまずはかかりつけの病院を受診してもらうことにした。当直医が通院している病院に連絡したところ、たまたま(すごい偶然)担当医が当直だったそうだ。膵頭部には炎症が及んでおらず緊急性はないので、鎮痛薬の処方で経過をみていいという指示をもらった。連休明けに受診してもらうことになった。
かかりつけの病院は当院の2倍以上のベット数のある大病院で、そこでの診療が不満があれば、あとは大学病院に紹介してもらうのがいいと思うが。大学病院で診てもいい疾患ではあるし。
もし当院に自己免疫性膵炎の患者さんが受診(初診)すれば、必ず専門病院紹介になる。当方がかかわった自己免疫性膵炎の2症例は当院で診断がつかず、他院紹介で診断された。今なら慣れたので画像診断は(たぶん)できると思うが。