なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多発性脳塞栓

2018年10月23日 | Weblog

 昨日内科新患の先生(大学病院から出張=バイト)から連絡が来た。78歳女性が先週の金曜日(3日前)に右視力低下で眼科外来を受診していた。右網膜動脈閉塞症と診断されて、昨日眼科から頭部MRIがオーダーされていた。多発性脳梗塞があり、多発性塞栓症と判断された。

 眼科から、腫瘍転移・血管炎・感染症について検索して下さいという紹介だった。患者さんは視力低下以外には症状がない。発熱はなく、血液検査で炎症反応は陰性だった。腫瘍・血管炎・感染症は否定的だ。

 心電図は正常洞調律で心房細動はなかった。近くの内科医院から骨粗鬆症の処方を受けているが、これまで心房細動を指摘されたことはないそうだ。心エコー(胸壁)で心腔内に明らかな血栓は指摘できなかった。

 MRAは頸部から撮影されていて、神経内科医にも診てもらったが、狭窄はない。発作性心房細動かなあという。抗凝固薬を使用して経過をみることになった。

 あと検査としては頸動脈エコーはしてみる。循環器科医から、上行大動脈にびらん病変ができてそこに血栓がつくこともあるので造影CTをお勧めしますということだった。放射線科の診断はまんまshower emboli。

 患者さんはもともと左眼の視力低下があり、右眼の視力低下にすぐに気づいた。幸い金曜日より右眼の視力は少し戻ってきているそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする