なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血便

2018年10月09日 | Weblog

 先週の土曜日に76歳男性が血便で救急外来を受診した。正確には認知症があって一人では受診できないので、奥さんが連れてきた。血便自体も、奥さんがスボンに付いているのに気づいた。腹痛がないので、特に本人は気にしていなかった。

 腹部CTで上行結腸に多発性に結腸憩室があり、S状結腸にも少数あった。腹痛もないことから虚血性腸炎ではなく、憩室出血の可能性が高い。

 バイタルにはまったく問題なく、Hb12g/dlだった。2コマある糖尿病外来(いずれも外部のバイト)のうち、この患者さんの通院している外来では、血糖・脂質・尿しか検査しないので、血算が(肝機能も腎機能もだが)普段はどのくらいなのかわからない。多分Hb14g/dlくらいだろうから下がってはいる。

 入院して過ごせそうかと奥さんに訊くと、一人ではいられないということだった。正しくは入院して絶食・点滴で経過をみて、週明けに大腸検査を考慮とは思ったが、奥さんはすぐに怒り出すといっていたので、入院すると揉めそうな気がした(体格が良すぎるくらい良い)。

 半日点滴して経過をみていたが、血便は出なかった。患者さんは空腹を訴えたので、売店で買ってきて少し食べてもらった。結局外来で経過をみることにした。

 今日外来に来たが、排便回数が1回くらいになり、黒色調の便がまだ少し出るが、初診時の赤黒便ではなかった。Hb11g/dlとちょっと下がっている。もう少し外来でみることにして、3日後に再受診で大腸検査を考慮することにした。褒められた診療ではない。

  

 昨日の祝日に病棟の看護師さんが、左下腹部痛と血便で救急外来を受診していた。日直だった内科の若い先生(今日はホスト病院に戻っている)が入院にして、絶食水分のみで点滴をしていた。今日は血便は治まっていて、腹痛もないそうだ。昨日は白血球増加があったが貧血はなかった。明日血液検査を再検することにした。

 この看護師さんは40歳で、発症形式からは虚血性腸炎だが、この年齢ならありうるのだろう。これまでに直接担当した虚血性腸炎の患者さんで一番若いのは42歳だった。大腸癌の可能性もあるので、症状が治まったら大腸検査は必須になる。

 

 

コメント (1)
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