日曜日の日直の時に40歳女性が気管支喘息発作で救急外来を受診した。1年前に気管支喘息発作で入院した時に担当した方だった。普段は近くの内科小児科クリニック(内科医と小児科医の夫婦)に通院していて、退院時は診療情報提供書を出していた。
ふだんの発作の時はクリニックで点綴をしていた。休日でそちらに行けないのもあるが、程度がひどかったので受診しても入院依頼で当院に回されるだおる。会話は途切れ途切れで横臥できない。中等度以上だった。ふだん会社にもサルタノールを置いているが、隣の部屋にあるサルタノールにたどり着くのも苦しい時もあるという。
現在の処方はと見ると、発作時のサルタノールだけもらっていた。退院した時は、ICS/LABAのシムビコートにテオフィリンとシングレアの内服を出して、症状が軽快すれば、テオフィリンさらにはシングレアも休止可能だが、シムビコートは継続して下さいと書いていた。
ご本人が昔から使いなれているサルタノール吸入があればいいと思っているらしい。コントローラーとリリーバーの説明はしていたはずだが、伝わっていない。それに喫煙者でもあった。
外来で点滴とネブライザーを使用したが(刺激にならないように、ステロイドを入れてからネブライザー)、喘鳴は軽度になったが続いていた。入院は嫌がっていたが、結局入院になった。
デカドロン注初日8mg(6.6mg)を2回、翌日8mg、その後2日は4mg(1.65mg×2)、その後2日2mg(1.65mg)で中止した。3日目に喘鳴が消失して、吸入ステロイドを開始した。
SMART療法があるので、発作時にもシムビコートを使うのもある(前回入院時はそう説明した)。この方は別にした方がよさそうなので、最近院内採用になったICS/LABAレルベアにした。今日で点滴は終了して、明後日退院予定だ。とにかくレルベアは1日1回・1回1吸入なので、これだけは続けるよう何度も説明した。
禁煙もするよう説明したが(BA+COPDへの道)、どうなるか。子供さんも喘息だそうだ。持たせる診療情報提供書にもレルベア継続処方をお願いした。
ICS(ISC・LABA)の普及で喘息の入院は本当に少なくなったが、いまだにβ2吸入薬のみという人がいるのだった。