なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

うつだと思うが

2021年06月01日 | Weblog

 内科医院から40歳男性が紹介されてきた。先週末に、地域医療連携室から受診依頼が来ていると言われて、紹介状を見た。

 不眠症で精神科病院に通院している。症状は頭重感・息苦しさ・口渇・尿の出が悪い・両足の疼痛などとあった。心因性だと思ったが、今週新患で来てもらうことにした。

 今日外来を受診してみると、思ったより普通?の方だった(もっと心気症的な方かと思った)。特に困っていることは何ですか、と尋ねた。

 両足と足底が痛いと言う。足関節は問題ない。足全体の症状で痛風発作のようではない。あとは、両肩が充分には上げられないようだ(日常的には支障がない)。

 精神科病院で処方された薬を見せてもらった。ゾルピデム10mg、エチゾラム1.5mgと、コントミン12.5mgも出ていた。(コントミン?)

 仕事と生活について訊いてみた。大手自動車会社の販売店に勤務していた。もともとは整備士だが、1年前に昇進して受付をするようになった。職場はもとの職場の向かいにある系列店に移った。

 最近細かなミスが続いていて、職場とお客さんに申し訳ないと思っているそうだ。職場で他の人にそれを指摘されるのかと訊くと、そうではないらしい。

 不眠は入眠障害もあるが、中途覚醒・早朝覚醒もある。午前4時には目が覚めて、その後は朝まで起きている。朝に職場に出かけるのに、意を決して行くという感じだという。夕方もう少しで終わると思うと若干気持ちが楽になる。死にたいと思ったことはない(と言っていた)。

 これはうつ病ではないか。ふだん精神科病院ではどの程度症状を話してのだろうか。臨床心理士と面接をしているというが、それよりは薬の問題だと思う。

 精神科病院に通院している患者さんを、うつ病と思われるので治療してほしい、と紹介するのはやりにくい。時々当院から認知症の患者さんを紹介したり、入院させてもらっている病院だった。

 器質的な異常とは思えない身体症状があり、うつ病ではという印象をもつような症状があるが、当院では治療できないので御高診いただきたい、という感じで診療情報提供書を提出した。

 患者さんは予約日の前だが、調子が悪いので今日行ってみると言っていた。当院からの診療情報提供書で、行きにくくなったりしたら、他の精神科の病院やクリニックへ紹介してもいいと伝えた。

 (追加)

 精神科病院を予約外で受診して、担当医からうつ状態として治療する、と返事が来ていた。

 

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