なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19の新規入院

2021年06月29日 | Weblog

 月曜日の午後に保健所から連絡があり、新型コロナウイルス感染症の41歳男性の入院依頼だった。

 日曜日は違和感があったらしいが、月曜日から高熱が出て、会社近くの病院を受診した。新型コロナの抗原定性検査が陽性だった。

 夕方感染病棟に入院となった。胸部CTで両側肺野に淡いすりガラス陰影が散在していた。まだ中等症Ⅰ相当になるが、今回は早めにレムデシビルを使用することにした。

 

 まだ入院している55歳男性は入院したのが発症7日目だったということもあるが、入院日の夜間から酸素飽和度が下がり、発熱が続いた。

 ふだんから肥満で睡眠時無呼吸症候群があるだろう、という問題がある。解熱後もなかなか酸素吸入を止められなかった。日中はいいか、酸素を止めて横臥すると(夜間)飽和度が下がってしまっていた。

 肥満が重症化因子というのがよくわかる患者さんだった。酸素吸入4L/分まで上げたところで、何とか減量に持ち込めたが、気持ち悪い経過だった。

 今回の患者さんも同様の肥満があり、ナースステーションから病室をカメラで見るとほぼ同じ体形だった。横臥しても腹部は膨れている。

 

 住所は地域の基幹病院の近くで、ベットも空いているので本来はそちらに入院になるはずだった。今週、感染管理の相互評価で先方の病院に行くことになっている。

 増床改築したコロナ用病室を見学させてもらう予定になっている。入院があると見学できないので、この患者さんは当院にまわされたのかもしれない。

 県の新型コロナの発生数は減少していて、県内のベットは余裕がある。オリンピックまではこの調子でいけるか。

 

 レムデシビル(商品名ベクルリー)

  生食100ml+注射用水40ml+ベクルリー200mg/2V(投与初日)

  生食100ml+注射用水20ml+ベクルリー100mg/V(投与2日目以降=2~5日目)5日間使用

 投与量は注射用水で溶解した分だけ生食を抜いて、全体で100mlにする。30~120分かけて点滴静注(60分にしている)。 5日間投与と10日間投与では差がないとされているが、5日目まで投与して症状の改善が認められない場合には10日目まで投与できる。

 1人分(5日分)投与すると、もう1人分(5日分)送られてくるのだった。

 

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