呼吸器病センターのある専門病院から85歳男性が、リハビリ目的で転院してきた。
2020年4月に左肺腺癌と診断された(StageⅢA)。放射線療法と免疫チェックポイント阻害剤(イミフィンジ、デュルバルマブ)の点滴静注1年間を受けてきた。
2021年5月に食欲不振で入院して脳転移と判明した。6月初めに全脳照射を受けて、直後は意識朦朧となったそうだが、その後に回復して食事摂取できるようになった。
今回の経過で筋力低下(麻痺はないそうだ)が進行して歩行できなくなった。歩行できるようにリハビリをという依頼だった。
専門病院に紹介したのは当地の医師会の内科医院だった。もともと肺気腫がある患者さんで、胸部異常影の精査(胸部CT)は当院放射線科に依頼していた。
2020年3月の胸部CTでは、当方でもわかる腫瘤影を左上葉に認める。辺縁にspiculaを有していた。これはまず肺癌とわかる。
その前は2018年3月で、放射線科の読影レポートは炎症性変化が疑われるとなっていた。放射線科なので、その後のフォローの指示はない。後から見ればspiculaといえるかもしれない。
当院の呼吸器科外来は大学病院の先生と、その専門病院の先生が毎週来ている。CT画像を放射線科に依頼するのではなく、呼吸器科外来に紹介してもらえれば、少なくとも数か月後のフォローになったのではないかと思う。