4月21日に記載した、地域の基幹病院から転院してきた肺胞低換気・慢性呼吸不全の90歳女性のその後。
嚥下障害はないが、認知症による拒食があった。点滴をしようにも末梢の静脈があまり見えない。血管確保として中心静脈カテーテルを挿入して、そのまま高カロリー輸液に移行していた。
もともと糖尿病でインスリン強化療法を受けていたので、ヒューマリンRを点滴製剤に混合して、さらに血糖測定で皮下注の補正をしている。
しばらく落ち着いていたが、数日高熱が続いた。血液培養2セット(カテーテルからと末梢静脈)から表皮ブドウ球菌(MRSE)が検出された。中心静脈カテーテルを別ルートで再挿入して、最初のカテーテルを抜去した。
バンコマイシン投与で解熱(カテーテル抜去だけでも解熱はしたかも)している。血液培養を2セット再提出して、血液培養陰性化から2週間以上の投与となる。
高炭酸ガス血症があり、先方の病院ではNPPVを行っていた。年齢的に気管挿管・人工呼吸まではしないので、NPPVが最終的な治療手段になる。
再増悪時の治療について家族と相談したが、お任せしますと、いうことだった。増悪時の状況によってNPPVを当院で再施行するかどうか決めるが、認知症があり実際には難しいかもしれない。(短期間なら抑制してできるが)
酸素飽和度の調整は「94%以上にはしない」にしている。酸素吸入量は精密の0.25Lずつ調整できる方を使用している。90%前後の88~92%を目標にした。先方の病院では「80%台前半も許容とした」だった。
電子カルテの指示コメントに記載しているが、病棟看護師さんは酸素飽和度が低下すると、反射的に酸素量を挙げてしまう。カルテに赤(重要事項)で付箋を付けて、画面を開くと上記の酸素投与量(飽和度)調整が出るようにした。