なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19の新規入院

2021年06月16日 | Weblog

 火曜日に新型コロナウイルス感染症の55歳男性が入院した。県内の発生数は10名くらいに減少していて、しばらくぶりの新規入院になる。

 感染経路は不明だった。出産のための実家に戻った娘さんの持ち込みを疑ったが、妻と娘のPCR検査は陰性だった。娘さんの夫も出入りしてるが、症状はないらしい。

 当院の糖尿病外来(外部からバイトの先生担当)に通院していて、ジャヌビア50mgとメトホルミン1000mg/日でHbA1c6.6%と血糖コントロールは良かった。体重100kg超の肥満がある。

 7年前に腹部大動脈瘤破裂の既往があり、人工血管置換術を受けている。その後は左内腸骨動脈瘤でステント留置の手術も受けていた(いずれも専門病院で施行)。当院の循環器科で治療していたが、閉科となって、市内の元心臓血管外科医のクリニックに回されていた。

 1週間前に全身倦怠感が出現して、その翌日から発熱が続いていた。前日にクリニックで新型コロナの抗原検査を受けて陽性だった。同時にPCR検査も提出していて、翌日に陽性と確定している。保健所から入院依頼がきた。

 胸部CTで両側肺野にすりガラス陰影を認めた。浸潤影様の陰影にも見えるが、検査結果からはウイルス性肺炎なのだろう。

 白血球減少(3100、リンパ球23.0%)、血小板減少(8.6万)があり、CRP2.7と炎症反応は軽度だった。重症化の指標は、LDH231・Dダイマー3.4・血清フェリチン1042とそれぞれ上昇していた。

 咳と痰はないという。入院した夜に酸素飽和度が93%となり、酸素吸入が開始された。入院後も39℃の発熱があり、デキサメサゾンの投与(点滴静注)を開始した。

 ステロイドで血糖が高値になるので、インスリン注射を使用することになりそうだ。

 

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