Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

人種、セクシュアリティ、性別

2014-03-05 22:06:00 | 異文化
「それでも夜は明ける/12 Years A Slave」がアカデミー作品賞を受賞し、アメリカという国を見直しました。黒人奴隷の実話の映画。簡単に言うと、人種差別の罪を白人中心のショウビズ界が認めたということになるのでは?まだ残る差別をなくしていくために必要な大きなステップだと思いました。正直言うと、ベネディクト・カンバーバッチが出演していると言っても、重くて辛そうなので楽しみに待つ映画ではありませんでした。でも受賞をきっかけに製作のブラピや監督、知らなかった主演や助演の俳優さん達の姿を見たり聞いたりすることで映画が見たくなりました。世界中に私のような人は多いはずですよね!

それと主演男優賞は「ダラス・バイヤーズクラブ」で80年代のエイズ患者を演じたというマシュー・マコノヒーが受賞。同作でトランスジェンダーを演じたジャレッド・レトも、助演男優賞を受賞という快挙。エイズ患者やゲイの人達は、差別されてきた存在。その人達にスポットライトが当てられたのは、今までタブーのような扱いだったのでこちらも大きな意味があると思いました。少し前にベン・ウィショーが演ずると決まったクイーンのフレディ・マーキュリーだって、80年代にエイズを発症し、当時はホモセクシュアルに神が下した罰とまで言われたエイズへの偏見からのスキャンダルを恐れたのか死の前日までプレスにしつこく追いかけられながらも事実を公表しなかった。理由は彼の家族や友人にまで偏見が及ぶのを彼は防ぎたかったから。

人種、セクシュアリティ、病気ときて、性別への差別問題も、今読んでいる「フランケンシュタイン」の舞台脚本by Nick Dearで感じました。200年前のイギリスの女性に対する考え方について、ちょっと前に原作者メアリーのお母さんがフェミニストだったと知ってから、あの劇の中にあるヴィクターの女性差別発言が実はなかなかすごかったんだなと気がつくようになりました。昔の考えだからこんなもんだとスルーすることも簡単だけれど、長い原作をあんなに分かりやすく書き直してもヴィクターが女性をまったく理解してないことを残したのは興味深いです。

と、ここまで映画とお芝居の話でしたが、なぜこんなことを考えていたかというと、実は、今日バイト先にて気分よくない体験をしてしまったからなのです。

私のバイト先はアメリカ系外資で外国人スタッフも多いですが、1番多い国籍は地元の日本人です。でもこういう企業は英語や他文化理解のための研修もあるし、元々外国経験があるとか海外生まれだとか、海外文化が好きという人も多い。
それでね、今日話した日本人のおじさんは、たぶん自分はオープンで進歩的だと思ってて、私の所属する部署が6人全員女性だからって「百花繚乱でいいねえ。オレも転属したいな」って始まったんです。最初はちょっと褒められてるようないい気分。そのおじさん、切れた蛍光灯を新しいのに変えにきてくれたのですが、私達が「すごく明るくなって嬉しい、ありがとうございます。」ってお礼を言ったら、「あんまり明るくなるとシワが見えちゃうんじゃない?」と言い出して、その時いた私ともう1人の女性スタッフはムッとして「シワないから平気!」と返したんですね。すると今度は「君達はいいけど、困る人も数名いるんじゃない?」とうちの部署の先輩達のことを言い出したんですよ。
いや、私だってもう1人のスタッフだって子持ちのいい年。比較の問題じゃない、その話題を冗談で終わらせずに長々と笑えない年代の人達まで持ち出して引っ張るとは。。。。私の大ッ嫌いな日本のおじさんの会話だ。こんな所にもいたのか。どんなに目の前の私をたてたって、そこにいない女性のことを笑って、私が面白がるとでも思ったんだろうか?

他の国の男性でこんなこと言った人は少なくても私は知らない。日本のおじさんでやっかいなのは、自分ではレディ・ファーストのできる進歩的な男だと思っていること。自分の発言が人を傷つけていると知らないこと。他の国の男だって、若くて奇麗な女性が好きに決まってる。ワタシだって好きだ。だけど、だからと言って若くて奇麗でない人を傷つけては失礼だということは知っているから言いません。年齢だって、日本人以外も実はすごく気にしてる。だけどその話題はしてはいけないと知ってるからしないだけ。そのおじさんの発言、女性ということを特別視して、年齢による容姿を笑うなんて女性差別だわ!と思ったんだけど、これ書いてるうちに、その前に社会的な礼儀を知らないアホが日本のおじさんに生き残ってるんだと気がつきました。
200年前の天才科学者ヴィクターが女性とは会話できない、と思うのはまだ仕方ないとして、21世紀の多国籍企業にまではびこる日本のおじさんが男だというだけで女性をバカにするのは許せん。