「魔術師マーリン」配信が終わってマーリン・ロスに陥ったので、マーリン役のコリン・モーガンの出演作「ダブリンの時計職人」(2011)を見ました。マーリンの合間に撮影された映画ですね。
主役はこのおっさんフレッド(コルム・ミーニー)なのですが、コリン演じる青年カハルもほぼずっと出ていました。
あらすじ
フレッドはイングランドから故郷アイルランドに数十年ぶりに戻ったが、仕事もなく車に寝泊まりする生活を強いられてる。身なりを清潔にして尊厳を保ってはいるがホームレスだ。住所がないため失業手当も支給されない。駐車している海岸沿いの駐車場に同じく車に住む若者カハルと知り合う。カハルはドラッグ依存症だが無邪気でオープンな性格なのでフレッドは停滞して閉ざしていた心を開き始める。彼と行ったプールで美人の未亡人とも出会う。プライドが高いフレッドは彼女にホームレスだと言えないが、彼女もまた夫を亡くした後の生活に立ち往生していたので3人の魂がかすかに共鳴する。
しかしカハルのドラッグ依存はフレッドの知識を越えていて、薬物売人とのトラブルから事態は深刻な状況へと・・・
感想
途中までは、ダブリンの海岸沿いのちょい暗いけど平和な(?)ホームレス生活の中、コリンが中世の魔法使いではなく現代の衣装でおもしろいことをしているのを目を細めて楽しんでいました。それがこの映画の紹介から得た雰囲気だったのです。
「ダブリンの時計職人」がいつ出て来るのかと期待してたら、どうもフレッドおっさんが過去に経験した仕事のひとつが「時計の修理工」だった、というだけ。原題は「Parked」で時計なんてどこにも出て来ないんですね。おそらく日本のプロモーターが「駐車中」みたいな地味なタイトルでは売れない!ということで、ダブリン人気にあやかって、おっさんがかわいく見える呼び方を考案したのじゃないでしょうか。
そして、マーリン・ロス解決のつもりで見たのに、とんでもない、笑顔の時は妖精なのですが、カハルの役柄はなかなかハードで、私はもう途中から指の間からおそるおそるコリンを見守るはめに・・・!
とは言いながら、映像は美しく、ダブリンの夜景や山道の枯れ葉など・・・ちょっと「Third Star/僕が星になるまえに」のような風景の描写でした。
コリンは、ドラッグ依存のメイクで歯にシミをつけていたのもご愛嬌。おっさんと並ぶとますます細くて、ダブダブのジーンズにパーカ姿がかわいいです。そしてマーリンでは滅多に脱がなかったけど、この映画のボーナスポイントは、開始後わりとすぐプールへ行って水着姿が拝めることです!役作りで痩せたのでしょうか?肩のあたりが骨張るくらい細いです。それからドラッグの話をする時に腕を出すので、血管とか腕の体毛とかが見えて、いかにマーリンではあの小人みたいな服を脱がなかったか思い知りました。
あとDVDにはインタビューも入っていて、コリンが立て板に水のように喋るのでちょっと驚きました。マーリン役も「テンペスト」のエアリエル役も普通の人間ではないし、本作のカハルは一応人間とは言え見終わった後の印象はやっぱり妖精さんなので、あまり言葉で多くを語らない、直感的衝動的な役柄ばかり見たので。
しかしこの映画のせいで私のロスはますます深まり、別のコリン出演作「戦場からのラブレター」をポチってしまいましたよ。それにはアリシア・ヴィキャンデルとタロン・エガートンも出ているので、万が一コリンの役がロスを誘うものであってもタロン君が埋めてくれないかな、と甘く見積もっておりますが・・・(ネタバレ恐いのであまりよく作品情報をみてません)