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リドリー・スコットが監督・・・しようとして製作だけになっちゃった「チャイルド44」。劇場公開の時迷って、暗そうだったのでパスしてしまいDVDで見ました。
と言うのも、その時にはまだ見てなかった「London Spy」とまだ読んでなかった「The Farm」と同じトム・ロブ・スミス原作だから気になっていたのです。
あらすじ
1950年代のソ連はバリバリのスターリン共産主義。理想の国家に殺人なんて事件は起こらないということで、事件は事故として処理され、個人は国家の捨て駒のような扱いをされていた。レオ(トム・ハーディ)は国家保安庁捜査官としてまあまあうまくやり美人の奥さんもいる。が、部下の子供が変死体として発見された事件と妻のスパイ嫌疑をきっかけに、組織として国家の都合のために働くのをやめて、事件の解明に乗り出す・・・
感想
えっと、全体に話が読みにくかったです。と言うのは、ミステリーに入る前の、ソ連の体制とレオの人間としての紹介部分が長いわりにレオがどんな男なのかよくわからなかったし、子供の連続殺人事件がメインのミステリーなんだけど、奥さんがホントにスパイなのかどうかも紹介の仕方がただの女ではない風だったのでわからなくて、余計な謎が多かったからです。
このへん、同じ時代(でもアメリカだけど)を描いた映画「ブリッジ・オブ・スパイ」が複雑な状況をサルにもわかるように見せてもらったばかりなので、つい私には珍しく『脚本がなってないんじゃないの?不親切だわ~』なんて思ってしまいました。
トムハ君を始め、全員がロシア語訛りの英語を喋っています。
訛ってても、トムハ君はガタイの良さに似合わないかわいい話し方をしていました。
同じ軍服でもトムハ君はカーキ色なのに、地方勤務のゲイリー・オールドマンの方はネイビーでかっこよかったです!この映画のヒロインは私的にはゲイリー。
レオの妻(ノオミ・ラパス)・・・どうもわけがわからなかった。ずっと弱い女風だったのに、いざ戦闘シーンとなったらすごい腕っ節だったので余計にホントにスパイかと思ってしまいました。
トム・ロブ・スミスの私が知っている2作品との共通項は、「一見スムーズな表面と潜む真相の落差」「悲惨な出来事が解決・・・はしないんだけど、そこを通過した人達の心が未来に向かって階段を2、3歩上がったらそこに陽が射してて、その中に向かって歩いて行く感じ」です。
だから、どれもラストシーンが切ないながらも救いがあるところが好きです。