ジェンマ・チャン(シャーロック0102のスーリン)とコリン・モーガン(マーリン)の出ているチャンネル4のドラマ「HUMANS」(2015)を見ました。
2枚組DVDが英密林から届いた時は、「やったー!でもエピ8まであるから長いな~ボチボチ見ようっと。」と思ったのでしたが、見始めたら先が知りたくて止まりませんでした!
イギリスでの放送日(製作は英米)は2015年の6月で、The Guardianによると、放送局チャンネル4の平均視聴率の2倍の18%を出し、同時期にBBC1で放送された「Jonathan Strange & Mr Norell」のエピ5に比べても2倍以上の視聴者を獲得したそうです。(くくく・・・私はそのころ時代劇と魔法につられてそっちを見て、「なんか盛り上がらないまま終わっちゃったなあ」なんて思っていた)
あらすじ
synthと呼ばれる人間そっくりのロボットが働くロンドンが舞台。街で掃除やビラ配りをしたり、介護ヘルパーとして一人暮らしの老人に支給されたり、アップルストアのようなショップで家庭用にも販売されている。
3人の子供のいるジョーは、妻が仕事で留守中に自分の仕事と家事に追われ衝動的にsynthを購入した。時間と心の余裕ができれば、バラバラになりがちな家族に団らんを取り戻せると思ったのだ。
美しくて働き者の女性型synthアニタ(ジェンマ)にジョーも子供たちも大喜びだったが、妻は・・・
引退した博士ジョージ宅には、愛着がわいて息子のように思っているsynthオーディがいるが、期限切れで不具合が出るためヘルパーは別のsynthと交換してオーディを廃棄するよう迫る。
レオ(コリン)はsynth数体と一緒に逃走中の若者。アニタを探している。
感想 ネタバレなし
シャーロックで美人の中国娘を演じたジェンマ・チャンが主役(らしい)!そして共演がコリン?!ってことで、ポチってから話がSFでロボットの話だよ、と知りました。テーマは「ブレードランナー」、人工知能と人間の違いは?というあれですね。気がつくとスマホに見入る人だらけの昨今、ブレードランナーの時よりもコンピューターに頼る生活はリアルですよね。我が家でも家族3人食卓で向き合っても全員自分のスマホを見てる状態ですから・・・^^;
上のあらすじに書いた以外にも、synthを追う科学者とか警察とかジャーナリストとか登場人物がわりと多いのですが、バラバラに登場したその人達がストーリーの進行につれどう絡むのかがおもしろいですよ!
そして、ジェンマ。
私は外国人としてイギリスに住んだ経験から、白人社会でのアジア人の活躍をとても嬉しく思います。日本、中国、韓国はイギリスから見ると極東ってくくり。アジアと一口に言っても中東やインドなどの南アジアの方がメジャーで、極東はまた別っぽい。そしてイギリスから見たら日韓中みんなごちゃまぜ。
イギリスの一般的な家庭として登場するホーキンス一家に買われたロボットがアニタで、彼女のルックスが中国系というのがまた、ロボットが人間にとって都合のいいもの、というイメージをうまく出してる。西洋から見たら極東って画一的で何を考えてるのかわからないロボットのようだ、という先入観があると思うのです。そして、中国と日本が同じくくりで見られているという前提ですが、日本人女性とは、一昔前は従順で気だてがよく、気くばりのできる働き者として「理想の妻」とされていたのですよね。言い替えればよくできた奴隷ですけど、それがまさしくsynthなんです。無意識下のステレオタイプをうまくはめたキャスティングだと思いました。
そして、コリン・モーガンのレオも興味深い謎の存在なんですけど、それはいいのだけど、せっかく映画「戦場からのラブレター」で美しい役をやってくれてマーリンロスから私が立ち直れたというのに、本作でも苦悩の役・・・ああ~!どうしてそういう辛い役ばかりなの?!誰かコリンを笑う役にキャスティングしてください!
あと好きなのがジョージ博士(ウィリアム・ハート)とオーディのシーンです。オーディはひと昔前のマネキンのようでかわいいうえ、ウィリアム・ハートのヒョウヒョウとした演技が素晴らしいんです。コリンも今は苦しい役が多いかもしれないけど、あと何十年かしたらこのような演技を見せてくれるかしら・・・ああ、見届けるためには私も長生きしなくては。博士を見てて歳をとるのも悪くないと、「Mr.ホームズ」に続きおじいちゃん萌えが私のレパートリーに加わりました。
シリーズ2も決定しているとチャンネル4公式サイトにあります。